2013 Fiscal Year Research-status Report
7TeslaMRIによる中枢神経系ループス早期脳微小血管病変の検出
Project/Area Number |
25461844
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 信人 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50382601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 真理 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80205864)
福本 健太郎 岩手医科大学, 医学部, 助教 (00514407)
水野 昌宣 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70382603)
中村 豊 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (60328614)
小林 仁 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (60215358)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳微小血管病変 / 7TeslaMRI / 中枢神経ループス / 診断 / 中心溝 |
Research Abstract |
7TeslaMRI独自の中枢神経ループス(NPSLE)所見の有無について検討した。当科通院中および紹介入院したSLE急性期患者5例を1.5TeslaMRIおよび7 Tesla MRI(T1、T2強調画像およびDiffusion-weighted imaging, Magnetic resonance angiography)を撮影した。 対照として神経症状のない全身性エリテマトーデス(non-NPSLE)患者10名を7TeslaMRIで撮影し、神経放射線専門医がコード化された画像を読影を行った。NPSLEの診断については神経内科医および精神科医およびリウマチ専門医による総合判断とした。【結果】NPSLE5例中5例で1.5 Tesla MRIでは認められなかった微小脳血管病変が検出された。 non-NPSLE患者では1例も検出されなかった。検出された微小脳血管病変MRI所見は、T1強調画像で中心溝周囲に認められたが精神症状とは関連性が認められなかった。中枢神経症状が改善後に再度撮影できた3例中2例で脳微小血管MRI所見は消失していた。また1例は髄液中Interleukin6が検出感度限界値以下であったが臨床症状と7TeslaMRI所見からNPSLEと診断され、MRIによる診断の有意性が示唆された。 7 Tesla MRIで検出された特異的な早期脳微小血管病変はNPSLEの新たな画像所見として確立される可能性がある。今後は早期脳微小血管病変について、経時間的に画像を追跡する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
撮像可能であった急性期症例が5例と当初計画(12例)より少数となった。中枢神経症状のを認めた症例は10例以上集積したが、全身状態が不良な症例に対しては除外した。神経症状が多彩であることから症例数が少なく所見との相関関係は示すことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数は少数であるが7TeslaMRIによるNPSLE診断有意性は示唆された。症例集積し有意性を再検証する。 全身状態が悪化した急性期症例を対象とするため、当院搬送時の状態悪化の懸念から広範囲な他施設との共同研究も困難と考えられる。1年間の症例集積からより適切な症例選択を行うことで撮影症例数を増やす。 今年度より全身性エリテマトーデス初診断例も対象する。全身性エリテマトーデス未治療初診断症例で認められるか検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費に繰越金が発生した主な理由としては、当初は7TeslaMRIによる中枢神経ループス患者に与える影響が不明であることからNPSLE既往症例でPilot studyを施行し開始時期が遅れたことが挙げられる。 本年度より神経学的症状解析および精神学的解析を開始予定である。対象症例を当初計画していた全身性エリテマトーデス未治療初診断例も含めることから画像解析および血清学的診断に繰越金および本年度研究費を使用予定である。
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