2014 Fiscal Year Research-status Report
ストロンチウム治療後におけるリンパ球の放射線組織障害の検討
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25461851
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
道合 万里子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40515673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 直人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40210926)
岩淵 邦芳 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10232696)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ストロンチウム / 放射線組織障害 / γ-H2AX / リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
造骨性骨転移患者の除痛目的で認可・導入されている放射線ストロンチウム内部照射療法の副作用としてリンパ球の一過性減少は問題視されているが、リンパ球自体に直接どの程度の放射性組織障害性があるか解明されていない。DNA損傷部位に集積する蛋白質(γ-H2AX抗体)を用いた、放射性ストロンチウム治療後放射線組織障害の検討を行い、直接的なリンパ球への照射量の推定を得られると考えた。また方法が確立されれば、本治療による放射性組織障害性の短期的な副作用評価の簡便法として臨床的にも普及することも考えられる。 基礎的検討として正常者(4名)のリンパ球を分離してIn vitroでX線外部照射する実験から、照射量との関係から求めた標準線は作成した。臨床的検討として放射性ストロンチウムを用いた放射線内部照射療法の治療前、治療後1日に患者より採血した末梢血リンパ球に発生するDNA損傷数を検討した。カウントしたDNA損傷数を基礎的検討で得た標準線を使用し、推定線量を測定した。現在の結果では治療前は損傷数はほぼ描出認めず、治療後で損傷数の増加を認めている。放射線ストロンチウム治療における放射線組織障害は生物学的に定量可能であり、本評価法は有用な方法となり得ると考えられる。 今後は症例数を重ねその信憑性の有無に関して検証していく必要がある。また、治療後の経時的な変化を検証することで副作用の出現時期の評価にも繋げられる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象患者が少なく、また外来治療であることから研究への参加が得られないケースが多い。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数の積み重ねが最重要であり、症例を重ねることでその有用性の有無を検証していく。
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