2015 Fiscal Year Research-status Report
アルファ線放出核種ラジウム-223による骨転移治療の基礎的検討
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25461854
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
細野 眞 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (00281303)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ラジウム-223 / アルファ線放出核種 / 去勢抵抗性前立腺癌 / 骨転移 / GM計数管 / Na(Tl)シンチレーション計数管 / ZnS(Ag)検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルファ線核種である塩化ラジウム-223(Ra-223)は骨に親和性を持っており、転移性骨腫瘍に対して治療効果を示し、去勢抵抗性前立腺癌骨転移に対して全生存を延長する治療薬として医療に導入されつつある。本研究において平成27年度は、Ra-223の化学的物理学的特性を明らかにし、測定・計数や管理・汚染除去などに関して取り扱う上での手法を確立するために、平成25-26年度に引き続き各種計測機器によるガンマ線と特性X線(光子)の計数、さらに汚染を想定した汚染除去に関する実験を行った。本研究者の所属する大学にはRa-223の使用許可を持つ実験室があり、高純度ゲルマニウム(Ge)半導体検出器、各種のGM計数管およびNaI(Tl)シンチレーション計数管、アルファ線に対するZnS(Ag)検出器などの計測機器が備わっており、これらを用いてRa-223の測定の基本的事項を確認するとともに、測定の速度、時定数、距離などの条件を変えて、各タイプの計測機器で一般によく使われる機種を取り上げて測定の特性を調べた。また様々な素材を用いて、EDTAやRIクリーナの汚染除去能を調べた。成果としては、GM計数管、NaI(Tl)シンチレーション計数管、ZnS(Ag)検出器の特性を明らかにし、今回の検討の条件下で、GM計数管の方がNaI(Tl)シンチレーション計数管よりも計数効率がよい可能性のあることを示した。一方アルファ線用ZnS(Ag)検出器は距離が離れると計数効率が低く、Ra-223が放出する光子によってサーベイすることが妥当であることを示した。汚染除去に関しては、素材に付着したRa-223が乾燥してしまうといずれの除去剤を用いても除去されにくいため、早期の除去が重要であることを示した。Ra-223がわが国でも2016年3月28日に医薬品承認されたことから、本研究で得られた知見は重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は当初の計画通り、塩化ラジウム-223(Ra-223)を実験施設において取り扱って、放出光子を高純度ゲルマニウム(Ge)半導体検出器、複数のGM計数管およびNaI(Tl)シンチレーション計数管、さらにアルファ線に対するZnS(Ag)検出器にても計測を行った。汚染除去について、リノリウム、豚皮などの素材に対して、滴下後の時間、拭き取り条件を変え、EDTAやRIクリーナの汚染除去能を調べることにより、至適な汚染除去法についてデータを得ることができた。とりわけ素材に付着したRa-223が乾燥してしまうといずれの除去剤を用いても除去されにくいため、早期の除去が重要であることを示すことができ、これは今後のRa-223利用のうえで重要な知見であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
検出器の特性をより明確にするため、今後、対象とするGM計数管、NaI(Tl)シンチレーション計数管、ZnS(Ag)検出器を更に増やして、実際に使われる機種を広くカバーする。時定数/距離/サーベイ速度の違いによる応答変化を調べ、測定限界汚染Bq数を検討して、測定の特性を更に明らかにする。また、御氈褥について基礎的なデータを蓄積したが、さらにさまざまの素材にRa-223が付着したときの汚染を想定して、拭き取りの強さなども検討項目に加え、汚染除方法とその際の測定方法について検討する。この検討を通じて、汚染の様式と最適な除去の手法、それぞれの状況における測定器の特性を明らかにすることで、多施設で参照できるデータベースを構築する。また現在RI内用療法において、画像や他の生体内分布に基づいて個別の患者における線量評価が大きな課題になっており、実際に得られている画像に基づいて線量評価を行う手法を開発し、治療法の個別化に向けた検討を行う。
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Causes of Carryover |
Ra-223を取り扱った実験に関して、既存の器具を使用するなど効率のよい運用をすることができたこと、使用する試薬や素材について当初の予定より少なくても計画を遂行することができて消耗品の支出が少なかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、より多くの計測機器を用いて実験を実施して消耗品を使うことになり、さらに線量評価の検討を行うため、新たな消耗品を購入することになる。また得られた成果を発表するための英文校正や論文投稿費用等が発生する見込みである。
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[Journal Article] Wakabayashi G, Nohtomi A, Yahiro E, Fujibuchi, Fukunaga J, Umezu Y, Nakamura Y, Nakamura K, Hosono M, Itoh T. Applicability of self-activation of an NaI scintillator for measurement of photo-neutrons around a high-energy X-ray radiotherapy machine2015
Author(s)
Wakabayashi G, Nohtomi A, Yahiro E, Fujibuchi, Fukunaga J, Umezu Y, Nakamura Y, Nakamura K, Hosono M, Itoh T
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Journal Title
Radiol Phys Technol
Volume: 8
Pages: 125-134
DOI
Peer Reviewed
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