2015 Fiscal Year Annual Research Report
MRエラストグラフィーによる臓器硬度測定:慢性腎疾患および慢性膵炎への臨床応用
Project/Area Number |
25461856
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
吉満 研吾 福岡大学, 医学部, 教授 (20274467)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 膵 / 硬度 / MRI / 慢性膵炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
現行の肝MRエラストグラフィー機を応用し膵MRエラストグラフィーを試みた。使用機器は3.0T臨床kRI(Discovery 750W、GE)、外部Driverを通常の肝とは異なり、上腹部正中へ変更固定し、パラメータとして外部振動周波数を60Hz(肝臓と同じ、TR/TE=1000/59), と40Hz(TR/TE=1000/71)で撮像した。他のパラメータは両者ともに MEG 80Hz、位相offset数:4(0, π/2, π, 3/2*π)、MSG 17.6mT/mで撮像した。対象は38 pts (M:F=18:20;年齢26-86, 66 ± 15) 臨床診断はIPMN(または膵嚢胞) 17、胆道結石 5、慢性膵炎 3、急性膵炎 2、膵腫瘍(疑) 3、胆嚢炎 3、その他 5 であった。 結果、測定不能例は、60Hz:14/38(37%)、40Hz: 1/38(3%) であり、 測定可能面積比は 60Hz: 25 ± 29%、 40Hz: 76 ± 25% といずれも40Hzのほうが優れていた。一方測定値は(体尾部38例、頭部5例)60Hz:3.6 ± 0.9% CV 0.25 40Hz:2.0 ± 0.4% CV 0.2と40Hzのほうが有意に低値かつばらつきの少ない結果となった。測定可能例ではほとんどで波の伝搬は左背側から腹側へ向かう方向に見られた。即ち、外部周波数60Hzにおいては硬度測定不能例が多く、実用は困難と考えられた。40Hzでは測定不能例は有意に少なく、測定可能面積も大きかった。疾患群間の比較では60Hzを用いた硬度では有意差は認めなかったが、40Hzにおいてのみ慢性膵炎症例で有意に膵実質の硬度が高値であった。波の伝搬など未だ解決すべき問題は少なからずあるものの臨床応用の可能性は見いだすことができた。なお、腎に関してはボランテイアで種々の方法でMREを撮像することを試みたが、本システムでは十分な画質が得られなかったため、膵のみを今回は対象とした。
|
Research Products
(1 results)