2013 Fiscal Year Research-status Report
BNCTにおける生体内線量分布計測システムのための基盤技術の研究開発
Project/Area Number |
25461902
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安岡 聖 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50200499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 博明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30354913)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | BNCT / PG-SPECT / ホウ素濃度 / 即発γ線 / 結晶シンチレータ / 線量 |
Research Abstract |
成果:BNCTにおける生体内線量分布計測システムの基盤技術開発において、γ線検出器の1ユニットに対し、設計と製作、チェッキング用線源及び筑波大学陽子線医学利用研究センターの陽子線ビームを用いた性能試験、性能評価を実施した。CsI、LaBr3の結晶シンチレータブロック、16x16チャンネル光電子増倍管(ps-PMT)の購入、抵抗チェーン技術を用いて、フロントエンド回路の設計、プロトタイプの製作を行った。結晶シンチレータブロックとシングルチャンネル光電子増倍管を用いて、エネルギー分解能及びその結晶シンチレータ厚依存性を測定し、シンチレータ種類と厚みを決定した。鉛コリメータとVETOカウンターの設計、製作、評価を行った。シンチレータ内でγ線により発光した光に対する集光モデルを考え、γ線入射位置と検出位置の線形性、エネルギー分解能の位置依存性を検証するモデル計算ソフトを開発し、問題点を検証した。1ユニットのプロトタイプ(実機サイズの結晶シンチレータ、16x16チャンネルps-PMT、フロントエンド回路のプロトタイプ)を用いて、エネルギー分解能とその位置依存性について詳細に測定し解析するデータ収集(DAQ)システムのソフトウェア開発の一部を行った。これらの成果を学会で発表した。意義・重要性:BNCT治療における線量分布の精度がこれまでより飛躍的に向上し、患者に対するQAレベルが大幅に改善されることが期待される。更に、この技術は他のBNCT施設や粒子線治療施設においても同様に利用可能のため、この技術を標準化することでわが国の粒子線治療におけるQA向上に対する意義は大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本装置のハードウエア関連とデータ収集システム(DAQ)ソフトウエア開発は当初の計画通り開発が進んでいるが、解析ソフト開発とシミュレーション解析に予定していた大学院生の参加ができなかったため、性能を詳細に評価する解析ソフトの開発とPHITSコードを用いた検出器のシミュレーション解析評価に遅延が生じている。H26年度は大学院生の参加が決定されているため、上記の研究開発を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度の研究実施計画で遅延が出ている検出器の詳細な性能評価のための解析ソフトとシミュレーション解析ソフトの開発を大学院生とともに実施する。当初のH26年度研究実施計画にある京都大学原子炉実験所のKURを利用した当検出器に対する中性子ビームを用いた性能評価試験は、その後の調査で、検出器が放射化し施設外持ち出しが困難であることが判明したため、断念する決断をした。また、新設予定のいばらき中性子医療研究センター(東海村)の中性子ビームを利用した当検出器の性能評価試験は、中性子ビーム取り出し予定が1年遅延しているため、H26年度の実施をH27年度実施に延期することにした。筑波大学陽子線医学利用研究センターの陽子線ビームを利用した性能評価試験は、γ線源を用いた試験とともに、予定通りH26年度に実施する。
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Research Products
(2 results)