2014 Fiscal Year Research-status Report
放射線被曝に由来するDNA過酸化物質・染色体の解析と抗酸化物質による予防法の開発
Project/Area Number |
25461906
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宇野 隆 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30302540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 幸平 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (40312053) [Withdrawn]
磯部 公一 東邦大学, 医学部, 准教授 (80334184) [Withdrawn]
堀越 琢郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50456068)
原田 倫太郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20568662)
齋藤 正好 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (80118885)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射線障害 / 担子菌抽出物 / 過酸化物生成物 / マウス / 放射線防護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、放射線被ばく後のDNA 過酸化物生成物の解析と共に「担子菌抽出物」の高線量被ばくからの回復機序解明のみならず、放射線に感受性の高いリンパ球や精巣に対する低線量の被ばくと「担子菌抽出物」の放射線防護効果について検討を実施した。 マウスの脾リンパ球に対する放射線障害を3H-TdR(トリチュウム・チミジン)の取り込み量から検討すると「担子菌抽出物」を添加した脾リンパ球では、非添加時のリンパ球と比較して3~30倍の増加が認められた。 また、1.5Gyおよび3.0Gy全身照射マウスの精子活性に対する「担子菌抽出物」投与の効果について検討した。今回の実験では照射後の精子数および精子生存率において照射単独マウスおよび「担子菌抽出物」投与マウスで差異はみられなかった。しかし精子数については照射線量に関わらず、照射3日目に正常マウスに対して15%から29%と明らかな減少傾向が認められた。精子形成は精巣内の精原細胞から精母細胞さらに精細胞から精子と進んで行く。マウスでは精巣内で精原細胞(7日)と精母細胞(13-14日)、精細胞から精子へ14-15日ほど要するといわれ、合計日数は約34日間で精子が形成されている。さらに精子は副睾丸(精巣上体)に入り、受精能力を獲得して射出される。精子形成過程で最後のDNA合成は精原細胞でおこり、以降は減数分裂によってDNAが分配されるに過ぎない。照射後4日目の精子数減少と照射後8日目の精子数回復のメカニズムは、この精子形成過程の時間的要素に関連していると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.放射線に感受性の高いリンパ球や精巣に対する低線量の被ばくと「担子菌抽出物」の放射線防護効果について検討を実施し、リンパ球に対する放射線障害を3H-TdR(トリチュウム・チミジン)の取り込み量から「担子菌抽出物」を添加したリンパ球では、非添加時と比較して3~30倍の増加が認められた。 2.全身照射マウスの精子活性に対する「担子菌抽出物」投与では、精子数および精子生存率に「担子菌抽出物」の効果がみられなかった。 3.放射線障害についてと被ばく後のDNA 過酸化物生成量との関係以外に放射線高感受性細胞(リンパ球等)では3H-TdRの取り込み結果が放射線障害と、その回復過程を表現している可能性が明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成27年度は、本研究の最終年度であり、放射線感受性の高いリンパ球や精子活性について「担子菌抽出物」の放射線防護効果のメカニズムについて検討したい。 2.放射線被ばく後のDNA 過酸化物生成物の測定以外にも3H-TdR(トリチュウム・チミジン)の取り込み量からの検討が放射線感受性の高いリンパ球や悪性腫瘍細胞に対して鋭敏に反応すると思われる。 3.「担子菌抽出物」の放射線防護効果が正常細胞もしくは腫瘍細胞に対して同じく防護効果発現すかを検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Localized ocular adnexal mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma treated with radiation therapy: a long-term outcome in 86 patients with 104 treated eyes2014
Author(s)
Harada K, Murakami N, Kitaguchi M, Sekii S, Takahashi K, Yoshio K, Inaba K, Morota M, Ito Y, Sumi M, Suzuki S, Tobinai K, Uno T, Itami J.
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Journal Title
International Journal of Radiattion Oncology biology・physics
Volume: 88
Pages: 650-4
Peer Reviewed
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[Journal Article] Japanese structure survey of high-precision radiotherapy in 2012 based on institutional questionnaire about the patterns of care.2014
Author(s)
Tomita N, Kodaira T, Teshima T, Ogawa K, Kumazaki Y, Yamauchi C, Toita T, Uno T, Sumi M, Onishi H, Kenjo M, Nakamura K.
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Journal Title
Japanese Journal of Clinical Oncology
Volume: 44
Pages: 579-86
Peer Reviewed
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[Journal Article] Is the Outcome of a Salvage Surgery for T4 Thoracic Esophageal Squamous Cell Carcinoma Really Poor?2014
Author(s)
Akutsu Y, Kono T, Uesato M, Hoshino I, Murakami K, Aoyagi T, Ota T, Toyozumi T, Suito H, Kobayashi H, Harada R, Uno T, Matsubara H.
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Journal Title
World Journal of Surgery
Volume: 38(11)
Pages: 2891-7
Peer Reviewed
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[Journal Article] Coronal reformatted CT images contribute to the precise evaluation of the radiofrequency ablative margin for hepatocellular carcinoma2014
Author(s)
Motoyama T, Ogasawara S, Chiba T, Higashide T, Yokota H, Kanogawa N, Suzuki E, Ooka Y, Tawada A, Irie R, Ochi S, Masuda Y, Uno T, Yokosuka O.
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Journal Title
Abdom Imaging
Volume: 39
Pages: 262-8
Peer Reviewed