2014 Fiscal Year Research-status Report
Hsp 90を標的とした低酸素細胞放射線増感に関する基礎的研究
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25461927
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
笹井 啓資 順天堂大学, 医学部, 教授 (20225858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部 陽子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70306968)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Hsp90 / 低酸素 / 放射線増感 / 17-DMAG |
Outline of Annual Research Achievements |
17-DMAGはHSP90阻害剤の1つであり、腫瘍細胞に対して放射線増感効果があることが知られている。しかし、放射線抵抗性の原因の一つである低酸素状態での放射線増感効果についての知見は少ない。本研究はHSP-90阻害剤の低酸素細胞への放射線増感効果の確認とその分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。使用した細胞はヒト肺扁平上皮癌細胞SQ-5である。まず17-DMAGの暴露時間によるHSP70の発現をウエスタンブロット法で求めた。HSP70は、HSP90の活性とは相反して発現がみられるタンパクであり、HSP90の活性が阻害されていれば、HSP70の発現が強くなることが知られている。17-DMAGの暴露時間によりHSP70の発現は徐々に強まり6時間で平衡に達した。24時間まで平衡状態は継続していた。次に17-DMAGの濃度を変化させながら24時間後のHSP70の発現を求めた。HSP70の発現は100nMまで徐々に強くなり、それ以上の濃度では平衡に達した。24時間暴露による細胞生存率をコロニー法で求めたところ、17-DMAG 100nMまで細胞生存率は0.2まで低下したが、それより高い濃度ではプラトーに達した。 それぞれ細胞生存率が10%になる線量の比から17-DMAG暴露による放射線増感効果率を算定した。常酸素状態では放射線増感率は1.57 、1%酸素環境下では1.49であった。常酸素状態および1%酸素条件下では放射線増感効果に差が認められなかった。 しかし、低酸素条件が1%であり、酸素増感比も1.0-1.2程度と非常に低い値であった。このことより低酸素状態が十分でなかったと考えられた。今後の計画としてはより低い酸素状況下で実験を行い、背放射線増感比を調べ、更にタンパク発現を調べることで分子生物学的解明を図っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
低酸素環境下に細胞を長期間培養する方法に不都合があり、酸素濃度1%環境での実験は施行できたが、0.1%が達成できなかったため、予定のHsp90発現誘導およびHsp90阻害剤の効果が確認できなかった。 それ以外の研究は予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
新規に低酸素環境を作成する実験系を作成したので、今後、この実験系を用いて予定の研究を行う。
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Causes of Carryover |
低酸素細胞の研究にもかかわらず、低酸素環境が酸素濃度1%しか作れなかったために、十分な増感効果を明らかにできなかった。このため、タンパク質発現に関する研究が十分に行う事ができず、研究費を次年度に繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
年度末に酸素濃度を0.1%で放射線照射が可能となるシステムを研究に導入した。この結果として、次年度ではタンパク質発現に関する研究が軌道に乗ると考えられ、抗体の使用量が増えるため、予算を執行する。
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Research Products
(1 results)