2015 Fiscal Year Research-status Report
Hsp 90を標的とした低酸素細胞放射線増感に関する基礎的研究
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25461927
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
笹井 啓資 順天堂大学, 医学部, 教授 (20225858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部 陽子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70306968)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Hsp90 / DMAG / 低酸素細胞 / 放射線増感 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト子宮癌由来Hela細胞を用いて研究を行った。新たに導入した低酸素バックを用いて低酸素環境を作成して酸素増感比を求めたところ3.2を示した。十分低酸素状態が達成できたと判断し、それぞれの状態で100nM (17-dimethylaminoethylamino-17-demethoxy-geldanamycin) DMAG24時間暴露による細胞毒性を求めたところ常酸素状態で細胞生存率0.22 低酸素状態で0.36となった。次に薬剤の投与の有無による増感率を細胞生存率1%で比較して求めた。なお細胞生存率は0Gyでの薬剤毒性で補正をおこなった。放射線増感率は常酸素状態で1.6と前年までの別細胞を用いた研究とほぼ同様の値となったが、低酸素状態では2.5ときわめて高い値が得られた。この放射線増感率は予想より高いため、再現性実験を追加中である。 次にウエスタンブロット法でDMAGのヒートショックプロテインの発現への影響を確認した。経時的には100nMで常酸素状態では暴露12時間からHSP70の発現が認められた。24時間暴露に固定した場合、常酸素状態では50nMから、低酸素状態では25nMからHSP70の発現が認められた。このことからDMAGによりHSP90の発現抑制が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Hsp90阻害剤の低酸素細胞(Hela細胞)に対する増感効果が100nMで増感比2.5ときわめて高い値となった。これがHela細胞に特異的現象なのか、他の細胞でも再現できるのかがこの研究のキーポイントと判断したため、細胞の種類を変えて再検する必要があると判断した。 このため最終結論に達することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象の細胞の種類を増やして追加実験を行う。既に実験の条件は確認できているため、最終結論が出るものと判断している。
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Causes of Carryover |
研究結果の再検討が必要となったため、消耗品として予定していたウエスタンブロット法による研究を延期したこと、および、予定していた米国での学会発表を延期した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
低酸素細胞放射線増感試験を細胞の種類を増やして追試中である。この結果に基づき、ウエスタンブロット法によるタンパク発現実験を追試する。 米国放射線腫瘍学会で情報収集および研究発表を予定する。
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