2013 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織由来幹細胞による移植前血管床構築に基づく次世代細胞治療方法の確立
Project/Area Number |
25461940
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲垣 明子 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (20360224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 昌史 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (50400453)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膵島移植 / 糖尿病 / 膵島 / 血管新生 |
Research Abstract |
重症糖尿病に対する根治療法である膵島移植は、局所麻酔下で門脈から肝臓内に膵島を移植する低侵襲な細胞移植療法である。しかし、治癒に2、3回の移植を必要とするため、アプローチが容易で低侵襲な皮下膵島移植の実現が期待されている。皮下は血管網の再構築が困難で、他の部位と比べて細胞生着が著しく不良であることから、本研究では、移植予定箇所に予め脂肪組織由来幹細胞(Adipose-Derived Cell:ADSC)等を導入することで血管床を構築し、その後に膵島を移植する二段階移植によって膵島の皮下移植法を確立することを目的とする。2013年度の研究成果は以下のとおりである。 1.デバイスに充填したADSCの新生血管誘導効果の確認 ADSCを充填したデバイスをラット皮下に留置し、移植後10日の新生血管網の構築を検証した。その結果、ADSCを含まないデバイスを皮下に留置したコントロールと比べ、ADSCを充填したデバイスを留置することで、皮下の新生血管が増加することが明らかになった。 2.デバイスを用いた膵島皮下移植方法の確立 皮下に膵島を移植する場合、溶液に懸濁した膵島を皮下に注入する方法は、門脈移植と比べて非常に多くの膵島を必要とする。そこで我々はデバイスに充填した膵島を皮下に移植することで膵島の移植効率が向上するのではないかと考えた。そこで、ラット膵島(約3200IEQs)をデバイスに充填し、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ヌードマウスの皮下に移植したところ、血糖が正常化し、糖尿病が治癒することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において2013年度は(1)ADSCによる皮下血管床構築、(2)皮下膵島移植における移植膵島量の検証を計画した。(1)ADSCによる皮下血管床構築に関しては、デバイスに充填したADSCを皮下に留置することで、移植後10日で皮下血管床が構築されることを明らかにした。なお、新生血管の免疫染色による評価については、次年度に実施予定である。(2)皮下膵島移植における移植膵島量の検証については、デバイスに充填した膵島を糖尿病ヌードマウスの皮下に移植し、約3200IEQsの膵島で糖尿病が治癒することを明らかにした。移植前血管床構築による糖尿病治癒効果を検証するためには、Marginal doseでの比較が必要であるため、次年度に皮下移植におけるMarginal doseの検証を実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は、計画書では2015年度に予定していた多光子顕微鏡による移植膵島周囲への血管新生の定量を、移植前血管床の構築群または膵島とADSCの同時移植群について実施する。また、皮下移植における膵島のMarginal doseの検証も行う。 2015年度は、2年間の研究で得られた知見を基に、ADSC等を充填したデバイスを皮下に留置して作製した血管床に、膵島を移植することで、より少ない量の膵島で効率的に糖尿病を治癒することが出来る皮下膵島移植プロトコールの確立を目指す計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費に関しては計画の85%の使用額であり、差額は計画よりも少ない匹数の実験動物で成果が得られたために生じたものである。また、旅費と謝金、その他が未使用であったのは、2013年度に本研究課題に対する研究成果発表を行わなかったために生じたものである。 2014年度の研究遂行に必要な機械設備は整っているため、機器等の購入予定はない。研究費は各実験における実験動物、抗体、膵島分離酵素、培養液等と試薬類や実験器具類等の物品購入、当申請課題に内容に合致する研究発表および情報収集のための学会出席経費に使用する計画である。
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