2014 Fiscal Year Research-status Report
3Dエコーガイドによる心拍動下心臓内手術の基盤技術の確立
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25461952
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
渡橋 和政 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (70204295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 喜雄 高知工科大学, 工学部, 教授 (50299369)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 低侵襲心臓手術 / 3Dエコー / マスター・スレーブシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
体外循環を用いず、心臓を拍動させたまま心臓内の構造異常に対して修復操作を行うシステムを開発するための研究である。研究を2つの側面から進めている。 まず、手術操作に用いる器具が3Dエコーで明瞭に描出できることが、手術操作を行うために必須である。明瞭に描出できる条件を探るため、種々の表面性状の素材を用いて、超音波ビームの入射角を90°~0°に変化させたときの輝度の変化を測定した。素材により、また同一素材でも表面性状により輝度の変化が大きく異なることが判明した。 この理由を明らかにするため、素材の顕微鏡用プレパラートを作製し、表面の形状を解析した。その結果、表面の凹凸が存在し、入射角が変化しても超音波ビームとの角度が90°近い部分の面積が入射角によって大きく変化しないものでは輝度の低下は少なく、逆に表面が比較的平坦で、入射角が変化すると90°近い反射面が著減するものでは、角度を変えると輝度が大きく低下することがわかった。後者では、3Dエコーで描出する際に、斜めになる部分の陰影が消失してしまう可能性が高く、手術操作のエラーを招きやすい。 もう一つの研究は、対象を操作する際に抵抗がある場合、それを手元で感じることのできるシステムの開発である。共同研究者のグループでは、マスター・スレーブシステムを手術用の鉗子に適用して、試作品を作製した。まだサイズも大きく心臓内の操作で使用できるほどのコンパクトなものではないが、マスター側の操作が正確にスレーブ側に伝わること、スレーブ側で抵抗をかけたときにマスター側で抵抗を感じることができる、ということがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手術器具の可視化に関する研究では、予想に近い結果が得られ、理論的な裏付けを得ることができた。この結果を踏まえて、最終段階に進めたい。 マスター・スレーブシステムを用いた手術器械の開発は、試作品を作成する段階まで進めることができ、これからそれを改良する段階に入る。
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Strategy for Future Research Activity |
3Dエコーによる描出に適した表面性状が明らかになったため、3Dプリンターを用いて適した表面性状の膜を作製し、それを従来の手術機械に貼り、3Dエコーガイド下で種々の手術操作を試みる。 一方、マスタースレーブシステムを用いた手術器械の試作品にもこの性状の膜を貼って、同様の操作を試みる。 いずれも、手術操作の課題を作成してそれを実施する際の正確性、容易さ、時間効率などを測定していく予定である。その結果を持って、本研究の課題のゴールに達したい。
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Causes of Carryover |
前半の研究では材料費をあまり必要としない基礎実験であったため、残を生じることとなった。今後3Dプリンターを用いて種々の表面性状の素材を作製し、具体的な手術操作を行う段階に進むが、当初の予定より少し遅れ気味であったため、費用をあまり要しない結果となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、さまざまなマテリアルを用いて手術器械の表面をコーティングする膜を3Dプリンターで作成する段階に入る。マテリアルの購入、手術操作を行うために用いるモデルなどの購入、また3Dプリントの外注を要することも予想され、研究費を充てていきたい。
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