2015 Fiscal Year Research-status Report
3Dエコーガイドによる心拍動下心臓内手術の基盤技術の確立
Project/Area Number |
25461952
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
渡橋 和政 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (70204295)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 喜雄 高知工科大学, 工学部, 教授 (50299369)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | エコー / 心臓手術 / 低侵襲 |
Outline of Annual Research Achievements |
エコーガイドで描出しやすい表面性状を決定するため、7種類の素材、11種類の表面性状の試料を用いて、エコーによる描出とその表面形状の分析を行った。その際、音響陰影については金属を用いる手術器械では宿命的なものであるため、入射角によって陰影が失われるecho dropoutおよびアーチファクトであるside lobeについての検討を行った。 11種類の表面性状が示すエコー描出の程度はさまざまであり、echo dropoutと表面形状の関連を検討した結果、入射角が小さいときの有効反射面が急速に小さくなる形状においてecho dropoutが起こりやすいことが明らかとなった。また、side lobeについては、反射強度が主たる因子と予想していたが、結果はそれとは異なり、上記と同様に入射角が小さくなるときの有効反射面の減少の程度がside lobeの面積に影響することが明らかとなった。一方、side lobeの輝度は、すべての素材、すべての表面性状を通じてほぼ一定であり、これは当初の予想とは異なる新たな治験であった。 これらの結果をまとめ、論文化し、現在投稿中である。また、上記の結果を受け、今後上記条件に適った表面性状を3Dプリンターで作製して、それを手術機会の表面にコーティングすることにより、エコーガイドの手術操作の実施にステップを進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を進めるにあたり、研究のみの単独活動ではなく学生教育の一環としての研究コースの学生のテーマとしてこの研究を進めてきた。研究者のペースで無理やり牽引して単なるラボランチンとすることを避け、学生からのアイデア、発案も交えながら、また測定に関しても極力彼ら自身の手によって工夫しながら行うことを優先したため、ペースが遅くなってしまった面は否めない。ただ、このことによって卒前から学部学生がこのような研究において自ら考え、自ら手を動かす経験をしたことで、将来彼らがリサーチマインドを持った時点で研究を遂行する能力を若いうちから少しでも高めることができたのではないかと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
少し遅れ気味ではあるが、かなり明瞭な結果を得ることができ、現在それをまとめて英文の原著論文として投稿中である。これを一つのステップとしながら、さらに、これまでの結果から得られた情報を元に、エコー描出に適した表面素材の条件をもつコーティング材料を3Dプリンターで作製して、それを貼付した機械を用いて実際の手術操作をex vivoで行う段階に移りたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
研究全体が遅れ気味である理由については、前に記載したとおりだが、現時点で一つの区切りとなる結果を得る段階に進むことができている。得られた結果を現在雑誌に原著論文として投稿中であるが、それと平行して得られた結果を元に研究のステップを次に進めることを計画している。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでは、手に入る素材を用いて観察を行う検討を進めてきたが、これからはこれで得られた結果を元に、理論的にエコー描出に適した素材の条件を満たす表面素材を3Dプリンターを用いて作製し、そのエコー描出を検証しつつ、実際の手術操作にそれを応用してその評価を行っていきたい。そのために、新たな器械の購入、表面素材を作製するための費用などに予算を使っていきたいと考えている。
|