2013 Fiscal Year Research-status Report
2光子励起レーザー顕微鏡を用いた新たな肝移植後拒絶反応の時空間的メカニズム解析
Project/Area Number |
25461954
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
武市 卒之 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (00380999)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (50193628)
本田 正樹 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (80573609)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | マウス同所性肝移植 / 2光子励起顕微鏡 / 肝虚血再灌流障害 / 好中球動態 |
Research Abstract |
本研究は、小動物(マウス)を用いた同所性肝移植モデルにおいて2光子励起顕微鏡を用いて生存状態の移植肝組織における微小循環下の炎症細胞と肝組織の関係をreal timeに映像化・分析することで、肝組織における移植後の拒絶反応の病態解明を行い、最終的にそれらを臨床の場面での早期、非侵襲的な拒絶反応の診断に生かしていくことを目的としている。その前段階として我々は、肝移植後の拒絶反応の発症率と相関することが知られている肝虚血再灌流障害に注目した。具体的内容としては、全身麻酔下に開腹、全肝の70%にあたるMedian lobe+left lateral lobeへの門脈・肝動脈血流を非侵襲的な血管クリップにて途絶させ、45分ないしは60分後に解放し再灌流させた温虚血再灌流障害モデルマウスを用いて、その好中球動態を2光子励起顕微鏡を用いて観察している。この方法を発展させ、肝移植後の拒絶反応状態での肝組織を観察・解析することで、非侵襲的に拒絶反応の動的な病態(炎症細胞の浸潤の様子、静脈内皮炎のリアルタイムな変化など)を解明することが可能となると思われる。 平成25年度は、主に以下の2点につき研究を遂行した。 1.マウス同所性肝移植モデルの作成技術習得 2.肝虚血再灌流時における好中球動態の詳細な解析に加え、薬物モデル投与によるケモタキシス抑制モデルマウスでの肝虚血再灌流時の好中球動態の観察(2光子励起顕微鏡を用いて)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当研究では、2光子励起顕微鏡を用いた微小循環下の炎症細胞のreal timeな動態を観察することが目的である。顕微鏡を用いた観察に関しては、マウス肝移植モデルの作成技術の習得に難渋しているものの、その一方で薬物投与によるケモタキシス抑制モデルを作成し、肝虚血再灌流時における詳細な好中球動態の解析を行い、肝移植モデルの前段階での研究を遂行しているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、まずはマウス肝移植モデルの作成技術の習得に努め、モデルができあがった段階で観察を始めることと、肝虚血再灌流時における好中球動態のさらなる解析も同時に進めていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度中は、マウス同所性肝移植モデルの最終作成までには至らなかったため、予定使用額よりも少ない結果となった。 来年度以降、マウス同所性肝移植モデルの作成に向けての動物実験費や薬品費等に使用していく予定である。
|
Research Products
(2 results)