2013 Fiscal Year Research-status Report
肝組織修復における類洞内皮細胞、星細胞の役割解明と骨髄、脾臓との臓器相関の解析
Project/Area Number |
25461966
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30252018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴村 和大 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50434949)
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90340968)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝線維化 / 脾摘 / 類洞内皮細胞 |
Research Abstract |
1.脾臓摘出に伴う硬変肝マウスモデルの線維化改善現象のメカニズム解明 チオアセトアミド(TAA)をマウスに長期投与して、脾機能亢進症(血小板減少)を伴う硬変肝モデルを作製した。同モデルで脾摘を行うと、TAAを継続投与したにも関わらず、肝線維化が有意に軽減されていた。このメカニズムを探るために肝組織に変化発現するmRNAを、マイクロアレイを用いて検討すると、マクロファージおよび単球に由来するケモカインとそのレセプターの増強発現が認められた。脾臓摘出後のマクロファージ・単球の動態をFACSおよび免疫組織染色で検討したところ、血中および肝臓内におけるマクロファージ系細胞の有意な増加を確認した。また、これら肝臓にリクルートされた細胞は線維組織を分解するマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を産生していた。一方、TAA長期投与により、肝臓内に肝幹細胞様の細胞集団が多数出現していることが確認された。これらの幹細胞様集団は、脾臓摘出による線維化の改善とともに、その数が減少していた。この現象は、肝臓外からリクルートされたマクロファージ系細胞が肝幹細胞様細胞の肝細胞への誘導に関与している可能性を示唆していた。つまり、肝組織修復において、脾臓・骨髄由来の細胞が関与している可能性が明らかとなった。 2.ヒト肝組織における類洞内皮細胞の神経伝達物質発現の検討 以前の自身の研究で、ヒト肝類洞内皮細胞に神経細胞表面に発現する受容体を確認していることから、その下流蛋白の存在を免疫組織染色で検討した。これまで、ストレス存在下で神経細胞から分泌されるとされている物質が、類洞内皮細胞に多数発現していることを確認した。つまり、内皮細胞による神経細胞様の機能の存在が、示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫組織染色による検討は、順調に進んでいるが、その現象を裏付けるWestern解析などがやや遅れている。また、実験動物による肝類洞内皮細胞の検討が、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
肝硬変マウスモデルの脾摘による肝線維化改善のメカニズムの解明は、順調に進んでおり、今後もマクロファージ系細胞がどのようにして肝幹細胞様細胞を肝細胞へ分化誘導するかを検討していく。 また、ヒト肝組織のみならず、マウス肝臓における類洞内皮細胞の神経細胞様機能の解明を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験およびWestern解析などの進捗状況がやや遅れたため、その分の予算を支出できなかったため、次年度に繰り越された。 平成26年度には、当初の計画に平成25年度でやや遅れている研究を重点的に行うことで、予定の予算が支出される可能性が高い。また、支出額が当初の計画を下回った場合、最終年度へ繰越し、最終年度の実験遂行のために支出する。
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Research Products
(4 results)