2014 Fiscal Year Research-status Report
トリプルネガティブ乳癌におけるKLF4、Her4経路の解明と治療効果予測の研究
Project/Area Number |
25461975
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長田 拓哉 富山大学, 大学病院, 講師 (40303242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 龍彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
塚田 一博 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (90171967)
吉田 徹 富山大学, 大学病院, 助教 (40456364) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | KLF4 / 乳癌 / トリプルネガティブ |
Outline of Annual Research Achievements |
【方法】76例のTNBCに関するKLF4とNANOGの発現レベルについて、免疫染色を用いて評価するとともに、転移再発形式について臨床病理学的に検討した。またTNBC患者における抹消血液中のCTCを同定し、KLF4、NANOGの発現についてそれぞれ原発巣と比較した。さらにTNBC培養細胞(MDA-MB231)にKLF4のsiRNAを導入してKLF4の発現を抑制し、KLF4の細胞増職能、およびEMT様変化について解析した。【結果】76例のTNBC症例において、KLF4を強く発現するgroupでは、弱く発現すgroupと比較して、TNBC症例におけるOS、DFSが有意に良好であった。一方、NANOG発現のupper groupでは、lower groupよりも有意に予後不良であった。TNBC患者の抹消血液中に存在するCTCでは、KLF、NANOGの発現が低下していた。またKLF4の発現を抑制したMDA-MB231では、controlに比べて細胞面積が増大するとともに、細胞増殖能が増強した。このとき、E-cadherinやVimentinなどの発現も抑制されており、EMT様の変化が認められた。【結語】KLF4の発現が低いTNBC症例の予後は不良であった。一方、NANOGの発現が高いTNBC症例の予後は不良であった。CTC、およびsiRNAの実験結果より、TNBCではKLF4の低下により、EMTが誘導され、乳癌の転移が亢進すると考えられた。またNANOGの発現はEMRメカニズムと関係なく、TNBCの悪性度を増強させると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床症例の集積が進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ウエスタンブロット法を用いてトリプルネガティブ乳癌の転移増殖におけるKLF4の役割を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
物品費、旅費が全額使用されていない。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
ウエスタンブロットを始めとする実験試薬、および実験機器(50万円以下)を購入し、最終年度の実験計画を達成する予定である。
|
Research Products
(2 results)