2015 Fiscal Year Annual Research Report
トリプルネガティブ乳癌におけるKLF4、Her4経路の解明と治療効果予測の研究
Project/Area Number |
25461975
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長田 拓哉 富山大学, 大学病院, 講師 (40303242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 龍彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
塚田 一博 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (90171967) [Withdrawn]
吉田 徹 富山大学, 大学病院, 助教 (40456364) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳癌 / KLF4 / EMT / TNBC |
Outline of Annual Research Achievements |
【はじめに】我々はこれまでに、iPS細胞誘導因子の一つであるKLF4が、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)において予後予測因子となることを報告してきた。今回、TNBC患者の抹消血液中浮遊癌細胞(CTC)におけるKLF4の発現を解析し、TNBCの転移増殖機構に対してKLF4が抑制的に機能している知見を得たので報告する。【方法】85例のTNBCに関するKLF4の発現レベルについて、免疫染色を用いて評価するとともに、転移再発形式について臨床病理学的に検討した。またTNBC患者における抹消血液中のCTCを同定し、KLF4の発現についてそれぞれ原発巣と比較した。さらにTNBC培養細胞(MDA-MB231)にKLF4のsiRNAを導入してKLF4の発現を抑制し、KLF4の細胞増職能、およびEMT様変化について解析した。【結果】85例のTNBC症例において、KLF4高発現群は低発現群と比較してTNBC症例におけるOS、DFSが有意に良好であった。TNBC患者の抹消血液中に存在するCTCを捕捉しKLF4の発現を解析すると、原発巣の癌細胞と比較してCTCではKLF4の発現が低下していた。またKLF4の発現を抑制したTNBC細胞(MDA-MB231)では、controlに比べて細胞増殖能や細胞浸潤能が増強した。このとき、E-cadherinやVimentinなど各接着因子発現も抑制されており、EMT様の変化が認められた。【結語】KLF4の発現が低下したTNBC症例の予後は不良であった。CTC、およびsiRNAの実験結果より、TNBCではKLF4の低下により、EMTが誘導され、乳癌の転移増殖能が亢進すると考えられた。KLF4の発現を高める治療は、TNBCの転移増殖を抑制する上で有用な戦略になり得ると考えられた。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] トリプルネガティブ乳癌の治療選択におけるNanog, KLF4発現解析の有用性2015
Author(s)
長田拓哉, 松井恒志, 吉岡伊作, 関根慎一, 橋本伊佐也, 渋谷和人, 森山亮仁, 北條荘三, 奥村知之, 塚田一博
Organizer
第115回日本外科学会定期学術集会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
2015-04-16 – 2015-04-18