2013 Fiscal Year Research-status Report
頭側尾側アプローチによる新しい内視鏡下頸部郭清術に関する研究
Project/Area Number |
25461987
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中条 哲浩 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20404486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 宗嗣 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00649072)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70237577)
有馬 豪男 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90418856)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 内視鏡外科手術 / 頸部リンパ説郭清 |
Research Abstract |
頭側→尾側アプローチによる内視鏡下気管周囲郭清は、これまで不十分であった内視鏡下の気管周囲完全郭清を可能にする。今回の研究の目的は、多くの外科医が簡便かつ安全に施行可能な術式として確立することである。25年度は以下の4つの手術器具のプロトタイプを作製し、実際にそれを試用する計画であった。 ①耳介付近から前頸部に到達するための専用アクセスポートの開発については、従来の皮下トンネルに加え、耳介付近から下顎骨下面を通り前頚部に至る直径3~5mm大で長さが8㎝程度の専用の皮下挿入型アクセスポートのプロトタイプを試作した。②前胸部から下顎付近までの前頚部に至る皮下トンネルの内腔保持・周囲組織保護のための専用リトラクターの開発中(術中の煙やミストの吸引機能を併せ持つ)。現在は設計段階であるが、試作品の作成依頼に移行する段階である。③すでに開発した視野確保のための分解・着脱式鋼線筋鉤のさらなるBrush upを行っている。前研究(口腔内アプローチによるによる新しい内視鏡下甲状腺切除術式に関する研究:H23~24年度 挑戦的萌芽研究)で開発し、すでに特許申請を行っている着脱式鋼線筋鉤を、本術式用にアレンジした追加バリエーションタイプを作成した。ただし、これに関してはさらなるBrush upが必要と考えており、26年度の課題として引き続き試作を行う予定である。④前胸部創から挿入し、気管周囲の視野展開に用いる特殊鉤の試作を行っているが、26年度も引き続きBrush upを行う。⑤国際学会での経過発表については、本術式の内容を2013年のアメリカ内視鏡外科学会(SAGES)で口演発表した。また、2013年11月のアジア内視鏡外科学会(ELSA2013)では招待口演を依頼され、その内容を発表した。2014年6月にはヨーロッパ内視鏡外科学会(EAES)からも発表依頼をいただき、口演発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試作品の設計は進んでいるが、実際の試作がやや遅れている印象がある。 ただ、設計を試作品にする段階であるため、大きな遅れはない。 臨床症例は順調に集積されており、研究全体の進行はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度に試作した専用アクセスポート、専用リトラクター、特殊鉤など、器具のさらなるBrush upを進めていく。 各々の試用で指摘された問題点を検討し、改良点を指摘するとともに、改良型の作製・試用を重ねることでさらなるBrush upを行い、各々の器具の最終型を確立する。 さらに、術式自体の最終型を確立し、論文発表する。上記器具を効果的に用いた本術式の最終型を確立し、英文医学雑誌に発表する。現時点で本術式(気管周囲のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍手術)には3時間~4時間を要するが、最終的には安全性を格段に高めながら容易な操作で少なくとも全摘で2時間程度の手術時間を目標としており、十分可能であると考えられる。従来のOpen手術以上に短時間での施行を目標とする。 論文発表とともに各種国際学会および国内学会での報告を継続していくが、このような場で世界の内視鏡外科医に批評していただき、意見を出してもらうことで本術式のさらなる改善点を見いだし、最終的に悪性腫瘍に対する甲状腺内視鏡手術の標準手術式のひとつとしての地位を確立していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究で予定している手術用器具については、プロトタイプの設計段階から試作に移行している段階であり、現段階でプロトタイプの請求が来ていない状況である。 その為、26年度に多くの試作品の請求がなされ、支出される予定である。 上記理由により、25年度に試作のために設計した器具の多くは、26年度に手術用器具(試作品)としての請求がなされ、支出される予定である。
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Research Products
(3 results)