2014 Fiscal Year Research-status Report
羊膜の特性を模倣したより安全で機能的な再生医療材料の開発
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25462002
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
辻本 洋行 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (20521272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 明郎 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (90198648)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 再生医学 / 羊膜 / 幹細胞 / コラーゲン / ゼラチン / 足場材料 / 癒着防止剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
意義と目的:羊膜は抗炎症・瘢痕作用や組織再生誘導作用などの特性を有し、近年優れた再生医療材料として注目されている。一方羊膜はヒト由来の生体組織のため感染症や拒絶反応の問題を有し、また人工的な加工や3次元的使用もできない。そこで我々は羊膜の特性を持ち加工性に優れた、より安全で機能的な再生医療材料を作製、その臨床応用例とし皮膚欠損創に対する足場材料や、腹部手術における損傷腹膜の修復再生を行う癒着防止材として用いるための基礎的検討を動物モデルを用いて行う。 方法:アルカリ処理コラーゲン・酵素処理コラーゲン・両者の混合からそれぞれスポンジ材を作製、これらに羊膜幹細胞の培養上清液(conditioned medium:CM)を含浸する。同様にアルカリ処理ゼラチン・酸処理ゼラチン・両者の混合から薄膜を作製、CMを含浸させ以下の実験を行う。1)ラット皮膚欠損モデルでの皮膚再生実験:CM含有各コラーゲンスポンジ材を、ラット背部の皮膚欠損創に逢着し、組織の修復再生度や瘢痕形成度を調べ、皮膚再生の足場材としての効果・機能を評価する。2)ラット癒着モデルでの癒着防止実験:ラットの盲腸壁を擦過損傷し、CM含有各ゼラチン薄膜にて被覆し、その腹膜の修復再生度や癒着形成度を調べ、組織再生を伴う癒着防止材としての効果・機能を評価する。 結果:前年度より、まず2)ゼラチン薄膜による癒着防止実験を先行した。ラット線維芽細胞をアルカリ処理ゼラチンや酸処理ゼラチン上あるいは両者を混合の上培養を行い最適な混合比を求めた。妊娠ラットから羊膜を採取し羊膜幹細胞を単離培養し、幹細胞や血球・血管等のmarkerの発現をflow cytometryや蛍光免疫染色等にて確認(CD29,44,90,105,Sox2,Oct3/4各(+)),およびCD11b,31各(-))した上で、前述のCMを採取した。そのCMを各ゼラチン薄膜に含浸し、ラット癒着モデルを用いて癒着防止実験を行い、現在その癒着防止効果と腹膜再生効果の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)動物実験の開始時期が遅れた(H25年度において本校動物実験施設における動物実験実施の許可が遅れたため)2) アルカリ処理コラーゲンの入手が困難であった(供給元からの供給が遅れていた)
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Strategy for Future Research Activity |
上述の1)については、25年度後半よりゲージ数制限下で実験許可が得られたため動物実験を開始し、本年(26年度)からはほぼは制限無しで動物実験が実施可能となり、現在実験継続中である。2)に対しては、まずは入手可能であったアルカリ処理および酸処理ゼラチンによる癒着防止実験の研究を先行優先させ、現在その実験の実施中である。また入手が遅れているアルカリ処理コラーゲンについては、現在発注中であり入手次第、アルカリ処理および酸処理コラーゲンからなる足場材料による皮膚再生実験を順次行ってゆく予定である。
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Causes of Carryover |
現在までの達成度の項にても記載したが、1)動物実験の開始時期が遅れた(H25年度において本校動物実験施設における動物実験実施の許可が遅れたため)2) アルカリ処理コラーゲンの入手が困難であった(供給元からの供給が遅れていた)等の理由により、研究の遂行に遅れが生じたため(特に平成25年度)に、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の研究の推進方策の項にても記載したが、上述の1)については、本年(26年度)からはほぼは制限無しで動物実験が実施可能となり、現在実験継続中である。2)に対しては、まずは入手可能であったアルカリ処理および酸処理ゼラチンによる癒着防止実験の研究を先行優先させ、現在その実験の実施中である。またアルカリ処理コラーゲンについては、現在発注中であり入手次第、アルカリ処理および酸処理コラーゲンからなる足場材料による皮膚再生実験を行ってゆく予定であり、その際に次年度使用額を用いて実験を遂行してゆく。
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Research Products
(7 results)