2014 Fiscal Year Research-status Report
光診断技術を応用した術中ナビゲーションシステムの新規開発
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25462017
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
平松 良浩 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00397390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 弘之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00138033)
菊池 寛利 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70397389)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光診断技術 / 術中ナビゲーション / ICG |
Outline of Annual Research Achievements |
消化器悪性腫瘍に対する外科的治療は、新規技術開発および手術手技の標準化により確実に進歩してきた。近年、術中リアルタイムナビゲーション技術の開発も進んできているものの、術中偶発症や術後合併症の軽減ならびに悪性腫瘍の根治性において十分に満足できる成績は得られていない。当該研究は、近年急速に進歩している光診断技術を利用した新規術中リアルタイム手術支援技術を開発し、悪性腫瘍手術の治療成績を向上させることを目的としている。 また一方で、腹腔鏡手術などの低侵襲外科手術療法が急速に普及しているが、現在一般的に市販されている機器、技術では触覚が欠如しており、モニター画面上の視認のみでの病変部位の正確な同定が困難である実情がある。様々な手技が工夫されているが、いまだ多くの課題が残っている。正確な病変部位の把握は根治性および組織温存のため、即ち過不足のない必要かつ十分な外科的切除範囲決定のために肝要である。 当該研究では、光診断技術を応用したICG含有樹脂塗布消化管マーキング用クリップ(ICG coated clip; iClip)を作成し、消化管壁外から蛍光観察ができるシステムを確立することで、簡便、安全かつ術中リアルタイムに正確な病変部位を同定することを目標としている。 前年度までにiClipの試作を行い、ICGの至適濃度や塗布量、樹脂条件、塗布方法などについて安定した蛍光観察が可能となる条件を確立した。本年度は、蛍光強度や検出感度の改良を行い、消化管や臓器を透過して蛍光観察可能なiClipの試作に成功した。今後さらに改良を重ね、実用化に向けた研究を継続していく予定である。 また、ICG蛍光造影法やNBI (Narrow Band Imaging)を利用した術前ナビゲーション、術中シミュレーションなどの手術支援技術の臨床応用をすすめ、その成績について別紙の通り発表した。これらの光診断技術の使用成績をもとに、蛍光検出法の改良点について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iClipの改良により、蛍光強度の強化を実現することに成功した。 今後、実用化に向けてさらなる改良を検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続き、iClipの改良を目指す。これまでに得られた実験結果やデータにもとづき、改良型のiClipの作成を進める。さらに、作成したiClipを用いて、前臨床段階の実験として、全身麻酔下のブタで内視鏡下にクリップの設置を行い、腹腔鏡による蛍光観察実験を実施する。
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Causes of Carryover |
実験結果が想定以上に良好であり実験動物の最小限化や、実験器具の再利用などにより経費を軽減することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
蛍光観察実験の回数を計画より増やし、蛍光強度のさらなる改良を行う。
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Research Products
(3 results)