2014 Fiscal Year Research-status Report
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25462023
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田邊 和照 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 講師 (40379847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳本 憲昭 広島大学, 大学病院, その他 (90564980) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胃癌 / CD24 / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、胃癌細胞の幹細胞性因子を探索する過程で、CD24の胃癌細胞における特異な発現様式を見出し、その機能解析を行った。 当科での胃癌手術症例119例を対象にした免疫組織学的解析を行ったところ、CD24発現は進行度、腫瘍深達度、リンパ節転移、脈管侵襲と相関し、胃癌の予後不良因子になることを確認した。胃癌患者の腹水中から採取した胃癌細胞およびヒト胃癌細胞株を用いて、複数の癌種で知られる癌幹細胞マーカーの発現を検討したところ、CD44、CD133は均一な発現様式であったが、CD24は陽性細胞と陰性細胞の混在型あるいは陰性型に分類され、CD24が胃癌細胞の多様性を規定する一因子になると考えた。CD24の発現の有無でソーティングした胃癌細胞の特性を比較したところ、CD24は細胞接着、運動、浸潤能を促進した。さらにCD24の発現抑制によって胃癌細胞の浸潤能は維持されず、CD24は胃癌細胞の浸潤能維持に必須の因子であると考えられた。CD24の発現誘導機序については、幹細胞性との関連から低酸素曝露を着想し、胃癌細胞を低酸素環境 (O2 1%, 48hr) においたところCD24陽性細胞は62.0%から78.7%に増加し(p < 0.05) 、胃癌細胞の浸潤能も約1.5倍亢進した (p < 0.05)。低酸素誘導性転写因子のHIF-1αおよびHIF-2αの発現抑制では、低酸素によるCD24の発現誘導が打ち消された。また、当科胃癌手術症例の免疫組織学的解析でも、CD24とHIF-1αおよびHIF-2αの発現は有意な相関関係があった。以上から、CD24は低酸素によって安定化するHIFsにより発現誘導され胃癌細胞の浸潤能を亢進すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までの研究で一旦、論文化を行うことができた。引き続き動物モデルを用いた検討などを継続するよていである。
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Strategy for Future Research Activity |
動物モデルを用いた検討が十分行えていないのが現状である。問題点としては、動物モデルの作成の部分で難渋しており、この部分を解決し、引き続き研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
一部消耗品などの購入時期が遅れたため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の購入分に振り分ける予定。
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Research Products
(1 results)