2015 Fiscal Year Annual Research Report
Warburg効果をターゲットとした新規胃癌薬物療法の基礎的研究
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25462025
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
北島 吉彦 佐賀大学, 医学部, 研究員 (30234256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 淳 佐賀大学, 医学部, 助教 (60404175)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | HIF-1α / ワールブルグ効果 / 活性酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、低酸素環境におけるHIF-1αノックダウン+グルコース(G)+インスリン(I)の胃癌細胞に対するアポトーシス誘導効果(in vitro)およびヌードマウス皮下腫瘍モデルを用いた抗腫瘍効果(in vivo)を論文(PLoS ONE)投稿し、9月に受理・掲載された。 次に、臨床応用に向けてHIF-1α阻害剤YC-1+グルコース(G)+インスリン(I)療法に関する基礎実験を継続した。まず、胃癌細胞株58As9に対し、低酸素環境では殺細胞効果を発揮するが常酸素環境では細胞死を誘導しないYC-1濃度を解析したところ、至適濃度1μg/mlを決定した。次に低酸素環境下においてYC-1至適濃度でのHIF-1α発現抑制効果をウエスタンブロットにて、活性酸素(ROS)産生をFACS解析にて、アポトーシス誘導効果をトリパンブルー法およびカスパーゼ3、PURP抗体を用いたウエスタンブロットにて証明した。また、YC-1+GI処理により低酸素環境下の胃癌細胞株58As9におけるワールブルグ効果阻害効果を薬剤無添加のコントロールと比較し、ワールブルグ効果関連遺伝子GLUT1, ALDC, LDHA, PDK1, MCT4のmRNA発現抑制を定量的RT-PCRにて立証し、さらに細胞外乳酸濃度低下、細胞内アセチルCoA濃度上昇を測定・確認することにより立証した。現在、ヌードマウス皮下腫瘍モデルを用いてYC-1+GIが皮下腫瘍内の低酸素領域のみにアポトーシス効果を発揮するかにつき、解析を始めている。 本研究計画は期待以上の成果を収めることができたと考えている。今後もワールブルグ効果をターゲットとしたYC-1+GI療法の臨床応用に向けた基礎実験を継続していく予定である。
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