2013 Fiscal Year Research-status Report
薬剤耐性コロニーをモデルとした癌再発抑制へ繋がる化合物同定に関する研究
Project/Area Number |
25462034
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
西塚 哲 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50453311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前沢 千早 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10326647)
久米 浩平 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (10609663)
若林 剛 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50175064)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 薬剤耐性 |
Research Abstract |
薬剤治療後の再発癌が原発巣に含まれる細胞母集団中の一部の集団に起因するという仮説を検証するべく、薬剤存在下でもコロニーを形成する細胞集団のプロファイルをもとに、癌再発抑制につながる研究を行っている。 薬剤存在下または非存在下で形成される癌細胞集団を個別に回収し、独自に開発したコロニーライセートアレイを用い、2000個以上のコロニーのプロファイリングを行った。その結果、癌細胞のコロニーは幹細胞性タンパクと上皮性タンパクを発現する細胞集団に大きく分かれることが明らかになった。一方で、どちらのタンパクも薬剤の反応性とは独立しており、薬剤存在下の増殖能は獲得するのではなくもともと存在する細胞集団がストレスの種類に応じて対応しているということが示唆された。 薬剤存在下で出現するコロニーのタンパク発現に薬剤濃度との関連性が薄いとなると、タンパクではない分子分画がコロニー出現に関与している可能性がある。この仮説を検証するためにタンパク合成阻害剤および転写阻害剤の存在下でコロニー形成を行ったところ、転写阻害剤の存在下で著しいコロニー抑制効果が見られた。実際、ヒト胃がん細胞を用いたマウス腹膜播種モデルでは、腹膜播種の広がりを抑制する効果が見られた。現在、同様の作用をもつ毒性の低い化合物のスクリーニングを行っている。また、転写阻害時の標的となる遺伝子を数個まで絞り込んでおり、その検証実験も並行して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ライセートアレイやマウスモデルに対する質の高い手術などの技術を応用する研究室の技術的基盤が安定してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトがん細胞を用いたマウスモデルで腹膜播種を効果的に抑制する化合物を探索する。またその機序から治療後再発癌の治療戦略へとつなげたい。
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Research Products
(6 results)