2013 Fiscal Year Research-status Report
DNA脱メチル化異常を介した染色体不安定性のメカニズムの解明
Project/Area Number |
25462035
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 浩一 自治医科大学, 医学部, 講師 (70332369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
力山 敏樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (80343060)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | DNA脱メチル化異 / 染色体不安定性 / セントロメア / satellite alpha |
Research Abstract |
「研究の目的」我々はこれまで、遺伝子複製時のメチル基修飾エラーが加齢とともに蓄積される事でゲノム全域のメチル化シトシンの含有量が低下(DNA脱メチル化異常)する事を示しました。さらにDNA脱メチル化異常は染色体欠失等の染色体不安定性と相関する事を示し、DNA脱メチル化異常を介する発癌経路を提唱しました。本研究は、加齢に伴うセントロメア領域のDNA脱メチル化異常に着目し、それをセントロメア領域のnon-cording RNA、satelliteαtranscriptsが誘発する染色体不安定性と関連づける独創的な試みです。この発癌過程は、従来の遺伝子異常の蓄積による古典的なものとは異なり、新たな発癌経路の発見の糸口になると考えられます。 「研究実施計画」 1,大腸癌、胃癌の古典的癌化経路で見られる遺伝子異常p53、KRASを免疫組織染色法を用いて検出しました。その結果、satelliteαtranscriptsが亢進した大腸癌では、低いものに比べ、p53の変異は低く、KRAS変異は変わりませんでした。 2、CGHアレイを行い、satelliteα transcriptsの亢進した癌に染色体欠失等、遺伝子不安定性がどのような頻度で、どの部位に多いか、そして古典的癌化経路で見られる遺伝子異常の関連遺伝子が存在しないかを検討しました。satelliteα transcriptsの亢進した癌の染色体の変化として、7、12、13番染色体で全域にわたりgainが認められ、16番染色体では長椀にgainが認められました。一方、14、15、18番染色体では全域にわたりlossが認められ、標的染色体と不安定性の特徴が明らかになりました。現在、その染色体上にある遺伝子を検索しています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度の研究計画として予定された古典経路で認められ遺伝子異常との比較は、P53、KRAS変異検索が終了し古典経路と若干異なる事が示され、おおむね計画通りである。 また、染色体不安定性の標的染色体の同定がなされ、不安定性の特徴を捉える事ができたのは大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
染色体不安定性に関わる遺伝子の発現変化を発現アレイで検証します。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の価格変動のため 次年度消耗品に繰り越しする
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Research Products
(4 results)