2013 Fiscal Year Research-status Report
消化管吻合部狭窄に対する細胞シート治療の基礎的研究
Project/Area Number |
25462039
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大木 岳志 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90307562)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 再生医療 / 細胞シート / 食道狭窄 / 吻合部狭窄 / RIC |
Research Abstract |
我々が研究を推進してきた食道ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)後の人工潰瘍に対する狭窄抑制効果を目的とした自己口腔粘膜上皮細胞シート移植術による再生医療的治療法の臨床応用(世界初)の経験を基に、新たに外科手術後の難治性消化管狭窄に対する細胞シート治療を開発し、大形実験動物を用いてその有効性を検証することを目的とした。 (1)消化管吻合部狭窄モデルの作製 食道ESD での周在性3/4 以上の粘膜欠損では効率に狭窄を来すことから、粘膜欠損由来する消化管吻合部狭窄モデルを作製することとした。ブタを用いて全身麻酔下による食道胃吻合部切除の手術は侵襲が大きく、安定した狭窄モデルの作製は、本年度では困難であった。そのため、従来の食道ESD技術で全周性の狭窄モデルを作成して平成26年度に予定もRICのモデルを作製した。 (2)ミニブタ培養口腔粘膜上皮細胞シート作製 全身麻酔下にミニブタの両側の口腔粘膜組織を紡錘状に切除する。常報により、タンパク質分解酵素であるディスパーゼを用いて基底膜を分解して上皮のみを回収し、トリプシンを用いて上皮細胞を単離する。単離した口腔粘膜上皮細胞を温度応答性培養皿に播種し、マイトマイシンC で処理した3T3 フィーダーレヤー存在下で、約2 週間培養する。その後、温度を20℃まで下げ、一枚の細胞シートとして全細胞を回収する。従来、成長を遅らせるように品種改良したミニブタを用いても、同様な条件でできるかは不明であるが比較的安定した培養条件を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)消化管吻合部狭窄モデルの作製 ブタを用いて全身麻酔下による食道胃吻合部切除の手術は侵襲が大きく、安定した狭窄モデルの作製は、本年度では困難であったが、従来の食道ESD技術で全周性の狭窄モデルを作成して平成26年度に予定もRICのモデルを作製に成功した。 (2)ミニブタ培養口腔粘膜上皮細胞シート作製 全身麻酔下にミニブタの口腔粘膜組織から上皮細胞を単離し、口腔粘膜上皮細胞を温度応答性培養皿に播種し、マイトマイシンC で処理した3T3 フィーダーレヤー存在下で、約2 週間培養する。その後、温度を20℃まで下げ、コンフルエントの状態になってから一枚の細胞シートとして全細胞を回収する。従来、成長を遅らせるように品種改良したミニブタを用いても、同様な条件でできるかは不明であるが比較的安定した培養条件を得ることができた。 以上より、順調に計画が進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、本年度の成果を基に、RICの実験モデルで細胞シート移植を行う。 また、食道胃吻合部狭窄モデルを再度行ってみる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本学では、他研究者との相談で決まったゲージで大形実験を行っている。したがって本研究は大形動物を使用しているため、頭数に制限があり、次年度に使用することとした。 来年度は、他研究者と相談の上、実験可能なことを調整済みであり、研究を推進する予定である。
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