2013 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌におけるPROK1/EG-VEGF蛋白質発現と抗体療法の可能性の検討
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25462047
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
五井 孝憲 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60225638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 明夫 福井大学, 医学部, 教授 (10174608)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大腸癌 / VEGF / PROK1 |
Research Abstract |
大腸癌では血行性転移が予後規定因子であり、その克服が生存率の向上に重要と考えられる。血行性転移機構としては血管新生増殖因子が大きな役割を占めていると考えられており、私どもは既知の血管新生増殖因子:VEGFとは異なるProkineticin1(PROK1)因子について検討を行っている。これまでに低PROK1遺伝子発現型大腸癌細胞株にPROK1遺伝子を導入することにより、血管新生能、腫瘍増殖能ならびに転移能の亢進が認められることを見出しており、このことを基に抗体作製と当科において切除術を施行した約600症例のヒト大腸癌原発巣と隣接粘膜に対する免疫組織化学染色施行した。大腸癌原発巣の隣接正常粘膜で発現は認められず、原発巣においては約40%強発現が認められ、また臨床病理学的検討において深達度が高度の場合、脈管侵襲陽性、リンパ節転移陽性、肝転移を認める症例、血行性転移を認める症例、ならびにStageの高い症例においてPROK1蛋白発現陽性症例が有意に多く認められた。再発率と予後についてもPROK1蛋白発現陽性症例が有意に不良であった。さらにヒト大腸癌症例原発巣におけるVEGF蛋白発現との関連性を検討したところ、VEGF蛋白発現症例は約50%、PROK1蛋白質と両方の発現が認められた症例は約20%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って進んでおり、結果も順調に蓄積している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の計画は順調に経過しており、更なる発展に向けて前年度の計画を基にして実験を継続していく予定である。
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