2013 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌微小環境を介した肝転移機構の解析と新規分子標的治療の開発
Project/Area Number |
25462048
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 光一 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70436955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 弘之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00138033)
菊池 寛利 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70397389)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 肝転移 / 腫瘍間質 / 微小環境 / micro RNA |
Research Abstract |
大腸癌の死亡率低下に向け、肝転移の制御は重要な課題である。近年がんの転移過程における、腫瘍周囲間質細胞を中心とした腫瘍微小環境の関与が報告されている。本研究は、腫瘍周囲間質内におけるmicroRNA およびその標的遺伝子の発現を測定し、大腸癌肝転移過程への関与を解析することを目的とする。 浜松医科大学第二外科において過去12 年間に切除された、化学療法歴のない大腸癌20症例(無肝転移再発10例、同時性肝転移5例、術後異時性肝転移再発5例)の原発巣切除検体のFFPE sampleからlaser capture microdissection (LCM)法にて腫瘍間質組織を採取し、total RNAを抽出。RNAのquality checkを行い、解析可能と判断された16例(無肝転移再発8例、同時性肝転移4例、術後異時性肝転移再発4例)のRNAをMegaplex PreAmp Primersでプリアンプリフィケーションを行った後に、TaqMan microRNA Arrayを用いてmiRNA発現を計測し、原発巣の腫瘍周囲間質細胞におけるmiRNA発現と同時性、異時性肝転移の有無との関係を解析した。クラスタリング解析では、無肝転移再発8例+異時性肝転移再発4例と同時性肝転移4例の2群に分かれた。無肝転移再発8例と比較して同時性肝転移4例において、miR-302bなど複数のmiRNA発現が低下していた。 以上の結果より、大腸癌原発組織内の腫瘍間質細胞におけるmiRNA発現変動を介して、ある(分泌)タンパクの発現が上昇し、原発巣における癌細胞の教育あるいは肝における転移癌細胞の発育を促進している可能性が示唆された。
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