2013 Fiscal Year Research-status Report
OSNA法を用いた直腸癌側方リンパ節郭清省略への応用
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25462055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畑 泰司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70644912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩文 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30322184)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 直腸癌 / 側方郭清 / OSNA法 / 術中迅速診断 |
Research Abstract |
直腸癌の側方リンパ節郭清の適応は、腫瘍下縁が腹膜反転部より肛門側(Rb)にあり、かつ固有筋層を越え浸潤している症例と決められているが、その基準では80%以上の患者が必要の無いリンパ節郭清を受ける事になる。一方、従来より直腸間膜内のリンパ節転移が側方リンパ節転移との関連性において最も強い相関がある事が指摘されている。本研究では、OSNA法(約30分で微小リンパ節転移診断が可能)を用いて術中に直腸間膜リンパ節に微小転移すらない事を確認することによって、真に必要な症例に側方リンパ節郭清を行う術中診断システムを構築することを目的とした。 まずは、臨床的にcN0 もしくはcN1 と診断された結腸癌と直腸癌(Rb をのぞく)で術前の化学療法を受けていない患者を対象とし“大腸癌におけるOSNA 法を用いたリンパ節転移検査に関する研究”として1 割面病理検査に対してOSNA 法を用いた場合の症例ベースでの有用性の検討とpN0(病理)からのアップステージ率の確認を現在おこなった。平成25年の7月までに合計で60 症例を集積し検討をおこなったところ、pN0の症例におけるOSNA陽性率は11.5%であった。 臨床への応用は可能と判断し、次のステップである側方郭清施行症例において直腸間膜リンパ節転移の有無をOSNA法で判定し、実際の側方リンパ節転移の有無とを比較するための研究をすすめた。大阪大学の臨床研究倫理審査委員会に計画書を作成し提出し、平成26年2月に承認され、1例目を3/19にエントリーした。結果は直腸腸間膜リンパ節転移はOSNA法で陰性、側方リンパ節転移は病理学的に陰性。 今後はさらに症例を集積し検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究達成度に遅れがでている件については、当院での倫理委員会での承認を少なくとも当初は25年内をめどに進めていたが,倫理委員会での審議事項が多かったために予定よりも遅く平成26年2月に承認となったことがまず、第一の理由に挙げられる。 また、本試験は臨床での手術サンプル(リンパ節)を用いた前向きな検討である。直腸癌患者で腫瘍下縁が腹膜反転部より肛門側(Rb)にあり、かつ固有筋層を越え浸潤している症例を対象としている。過去の当科における手術業績から試算すると、年間対象となる症例が当院で10-15例であった。そこで、年間における目標症例数を年に15例ほどと試算し、計画をたてた。しかしながら倫理委員会での承認された平成26年2月以降、現在までの5ヶ月で3月に1症例、4月に1症例と合計2症例と少ない。この対象症例数が予想より現時点まで少ないことが第二の理由に挙げられる。この件に関してはたまたま症例が少ない時期であったのか、それとも当科における対象症例が減る傾向にあるのかは現時点での判断は難しい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策について簡潔に記述すること。研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点があれば、その対応策なども記述すること。また、国立情報学研究所でデータベース化するため、図、グラフ等は記載しないこと。(600字~800字) 本研究課題の今後の推進方策であるが、基本的には対象となる症例に対し出来うる限り同意を取得し、取りこぼしの無いようにサンプルを集めていく。達成度のところに記載したように、今後も当初試算した症例数より今後の当院での対象患者手術症例数が少ない場合は、年における目標症例数を現時点より少ない症例数に再設定する必要がある。この場合、計画の進行が遅れることとなるが、対象症例数に関しては個人的な努力や研究方法の変更で解決する問題ではなく、やむを得ないところと考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に必要な物品を購入したため。 来年度に必要な物品を購入するため。
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