2015 Fiscal Year Annual Research Report
OSNA法を用いた直腸癌側方リンパ節郭清省略への応用
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25462055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畑 泰司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70644912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩文 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30322184)
竹山 廣志 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (60621018)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 直腸癌 / 側方郭清 / OSNA法 / 術中迅速診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、サイトケラチン19(CK19)を分子マーカーとして微量な癌成分を約30分で簡易に測定できるOSNA法を用いて、術中に直腸間膜リンパ節に転移がないことを確認することによって、 真に必要な症例に側方リンパ節郭清を行う術中診断システムを構築することを目的とした。平成25年~27年の間に、目標症例を30例と設定し、当院で側方郭清を施行する直腸癌症例において直腸間膜リンパ節転移の有無をOSNA法、CEAmRNAに対するRT-PCR法、病理診断で判定し、側方リンパ節転移(病理診断とCEAmRNAに対するRT-PCR)との関係を比較することとした。直腸癌症例の多くは高度進行型が多く、術前に化学療法を受けていた(23例中26例)。 検査系の確立や、病院の倫理委員会の申請・承認期間があり、実際に1例目がエントリーされたのは、平成26年3月と1年目の終わりであったが、その後ハイペースで集積を進めて、平成28年3月までに26症例を登録・解析した。 以下、結果を示す。年齢中央値は67歳(49-80歳)であり、男性17例、女性9例であった。23例に対して術前化学療法が施行されていた。壁深達度はT3が23例、T4が3例であった。リンパ節転移はN0が14例、N1-2が7例、N3(側方リンパ節転移)が5例であった。直腸間膜リンパ節のOSNA診断と病理学的側方リンパ節転移の診断能は感度80%、特異度86%、正診率85%、陰性的中度95%であった。本研究の目的は、実臨床において直腸間膜リンパ節の術中OSNA診断を用い、側方郭清の省略の可能性を判定することであり陰性的中度95%は良好な成績であると考えられる。
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