2013 Fiscal Year Research-status Report
NKT細胞の自然免疫と獲得免疫のクロストークを用いた癌治療法の開発
Project/Area Number |
25462056
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80535427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 泰雄 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00529521)
中村 哲 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10403247)
神垣 隆 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20372641)
掛地 吉弘 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80284488)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / NKT細胞 / 大腸癌 |
Research Abstract |
NKT細胞は、そのリガンドであるα-Galactosylceramide(α-Gal)を樹状細胞(dendritic cell ;DC)に付加して投与する方法(DCG療法)により、NK細胞を中心とする自然免疫を発動させ、経静脈的投与により肺転移モデルに対し強力な抗腫瘍活性を示し、さらに腫瘍抗原の同時投与により獲得免疫系である腫瘍反応性CD8+T細胞及びCD4+細胞が誘導されることが明らかとなった。このDCG療法及び電気的穿孔法(electroporation;EP法)を統合し、腫瘍蛋白抗原を樹状細胞内に導入し、これを用いて肺転移で評価を行うことが第一段階である。 今回の報告は、本研究の重要な部分を占める電気的穿孔(electroporation;EP法)により自己腫瘍抗原を溶解した蛋白成分を導入した樹状細胞(EP-DC)を免疫細胞療法として投与し、その有用性と安全性を明らかにした報告である。当該施設で施行したものではないが、本研究の臨床応用においては、重要な段階であるといえる。 また、報告のレベルではアロ樹状細胞の有用性アロ樹状細胞におるDCG(allogeneic DCG)がマウスモデルでも機能し、若干のアロ効果を認める報告である。本研究の根幹をなすもう一つの段階であり、アロ樹状細胞による、マウスモデルにおける治療の有用性と安全性を確認した報告であり、現在、投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電気的穿孔(electroporation;EP法)により自己腫瘍抗原を溶解した蛋白成分を導入した樹状細胞(EP-DC)を免疫細胞療法として投与し、その有用性と安全性を明らかにした。 アロ樹状細胞の有用性アロ樹状細胞におるDCG(allogeneic DCG)がマウスモデルでも機能し、若干のアロ効果を認める報告である。本研究の根幹をなすもう一つの段階であり、アロ樹状細胞による、マウスモデルにおける治療の有用性と安全性を確認した報告であり、現在、投稿中である。 ①腫瘍由来タンパク導入樹状細胞の作製とin vitroでの抗原特異的CD8+細胞の誘導②アロ、セミアロ樹状細胞への導入。以上の①、②に関しては、マウスの準備に時間が必要で、動物実験施設でのマウス受け入れの申請中である。 ③転移性肺腫瘍モデル及び皮膚腫瘍樹立モデル治療系の確認④抗原の経静脈的投与による転移性肺腫瘍治療モデルの治療とその評価⑤皮下投与による肺転移モデル/皮膚樹立腫瘍治療モデルの治療とその評価。③、④、⑤に関しては、上記のマウスモデルの結果で、治療モデルの確認が出来た状態である。OT-I,OT-IIマウスの導入に関して、受け入れ手続きの遅延があり、やや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
OT-I 及びOT-IIマウスの入手が完了次第、in vitroの実験で確認を行う。次に、実際にin vivoでのEP-OVA-DCGを行い、評価を行っていく。同時にEP-OVA-alloDCGの評価も行う。以上が実験の根幹となる。次に、CD8+記憶T細胞の各形成時期に従い、NKT細胞及びCD8+T細胞の機能評価を中心に行う。 1)effecter phase(day 7-10) 2)contraction phase (day 14-21) 3) memory phase(day28- ① 血清サイトカイン測定、② NKT 細胞、NK細胞、CD8+T細胞、及びCD4+T細胞の細胞群の数・割合の評価、③ 機能評価として表面抗原の解析・サイトカイン産生の測定、④ CD8+T細胞の分化の程度、CD4+T細胞の活性化を評価、⑤ CD8+記憶T幹細胞のマーカー(sca-1,CD122,Bcl-2)を用いて、数と割合を確認する。⑥ OVA8 peptideを用いた2次反応の評価(細胞増殖、サイトカイン産生) 以上を中心に投与経路によるNKT細胞及びCD8+T細胞の機能を比較する。また、投与経路によるCD8+記憶T幹細胞(Tscm)の誘導を検証する。
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Research Products
(2 results)