2013 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌における新たな病理的指標とNomogramを用いた予後予測システムの確立
Project/Area Number |
25462075
|
Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
上野 秀樹 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 准教授 (90597535)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 聡一郎 東京大学, 医学部, 講師 (00376443)
石黒 めぐみ 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10456238)
長谷 和生 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (50511268)
中村 好宏 医学教育部医学科進学課程, 医学教育部医学科進学課程, 准教授 (60415255)
金光 幸秀 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, その他 (60522977)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 大腸癌 / 外科病理学 / 予後解析 / Nomogram |
Research Abstract |
本研究は、現在世界的に用いられているTNM分類の概念を脱却した個別化予後予測法、即ち、既存のstage因子のみならず、腫瘍進展先進部における新しい病理組織学的指標を効果的に組み込み、個別の予後情報を提供し得る予後予測システムを確立することを目的とする。平成25年度には、各研究分担施設において対象症例を抽出し、既存の臨床病理学的項目からなるデータベース(test cohortとvalidation cohort)を構築した。このうち、test cohortを構成する防衛医科大学校病院と東京医科歯科大学病院の症例(各々320例、200例)に関しては、2施設において倫理委員会の承認を得た後、新たな病理組織学的因子に関する評価を施行した。現在Nomogramを用いた予後予測モデルの作成に着手中である。平成26年度にはがん研究センター中央病院および帝京大学病院の症例をvalidation cohortとして検討し、結果の再現性を検討する予定である。 また、平成25年度には新たな病理組織学的指標の内、Crohn-like lymphoid reaction (Am J Clin Path 139: 434-441 [2013])、神経浸潤 (Am J Surg Path 37: 1542-1549 [2013])、低分化胞巣(Am J Surg Path 38: 197-204 [2014]; J Gastroenterol [in print]))、EX (Am J Surg 207: 70-77 [2014])、線維性癌間質(Am J Surg Path [in print])に関して基礎的な検討結果をまとめ、病理組織学的検査時に生じるstage migrationに関する問題 (Jpn J Clin Oncol [in print])と共に、学術論文に報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度には、4つの研究分担施設において対象症例を抽出し、既存の臨床病理学的項目からなるデータベースが構築された。既にtest cohortを構成する防衛医科大学校病院と東京医科歯科大学病院の症例に関しては、各施設における倫理委員会の承認を得た後、新たな病理組織学的因子に関する評価を完了し、現在Nomogramを用いた予後予測モデルの作成に着手している。また、本研究の骨子となる新たな病理組織学的予後指標に関する基礎的な検討結果を7編の学術論文として報告した。以上より、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度にはがん研究センター中央病院および帝京大学病院の症例をvalidation cohortとして検討し、test cohortで作成されたNomogramを用いた予後予測モデルの精度に関して結果の再現性を検討する予定である。 また、現在大腸癌研究会において、既存の予後指標を複数用いた予後予測モデルの確立を目的とするプロジェクト研究「大腸癌治癒切除後の予後予測ノモグラムの開発」が進行中である。本研究で得られる予後予測モデルと予後予測の精度比較を行い、新たな病理組織学的予後指標を日常診療の一環として評価することの意義を結論する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Nomogram解析の結果が得られておらず、国内、海外での発表を見送った学会がある。またNomogram解析用の統計ソフトを購入予定であったが、より充実したNomogram解析機能を備えた統計ソフトが存在することが明らかとなり、新たな統計ソフトを購入しなかった。 Nomogram解析用の統計ソフトの購入、解析プログラムの構築費用、会議・学会参加のための交通・宿泊費用、英文論文の校正費及び投稿費用等に使用する。
|