2015 Fiscal Year Research-status Report
肝細胞内新規イオンチャネルの相互作用解明を基軸とした残肝増殖能への介入を目指して
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25462077
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉岡 政人 秋田大学, 医学部, 講師 (40375275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雄造 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70281730)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝細胞 / K-ATPチャネル / 残肝増殖能 / カルシウムイオン / Diazoxide / イオンチャネル / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
1.肝細胞ミトコンドリアのATP依存性K+ channel(K-ATP) openerであるDiazoxideをラット70%肝切除モデルに用い、残寒増殖能への影響を検討した。肝切除後Day1(POD1)では肝体重比、PCNA陽性率ともにDiazoxide投与群(Dx群)およびControl群(Ct群)間に有意差を認めなかったが、POD2ではともにDiazoxide群が有意差を持って上昇していた。肝体重比(倍)はDx群:2.77、Ct群:2.26、PCNA陽性率(%)はDx群:21.76、Ct群:13.36であった。以上からDiazoxide投与2日目に有意差を持って切除後の残肝増殖能の更新を認めた。 2.細胞保護は細胞内Ca濃度が関与しており、小胞体がCa濃度をコントロールしている。そこでK-ATP channelの修飾がCaイオン動態に関与しているかを検討した。Dx群とCt群で肝細胞を分離し、ATP刺激下の細胞内Ca動態をfluorescence intensityで測定したところ、Dx群で有意に細胞内Ca増加が抑制されていた。 3.細胞内Caイオンチャネル関連遺伝子の発現の変化を検討すべく、POD1におけるリアノリジン受容体2 (RyR2)、イノシトール三リン酸受容体(IP3R-1, IP3R-2)のmRNA発現程度をreal time PCRで検索した。結果、RyR2:0.295 vs 0.71(P=0.0014), IP3R-1:0.51 vs. 0.662(P=0.0269), IP3R-2:0.352 vs. 0.493(P=0.025)と、有意差を持ってDx群で発現低下を認めた。 4.実臨床に合わせた残肝増殖を促すことを目的に、70%門脈結紮におけるDiazoxide投与の有効性の有無について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
病気発症により、平成26年1月から平成26年8月までの8か月間、入院および休職・自宅療養にて研究できない状態であった。よって本研究の進行に遅れが生じているが、現在研究を再開している。 上記理由により、平成27年度までの研究期間を平成28年度まで延長していただいた。現在遅れを取り戻すよう鋭意研究中である。
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Strategy for Future Research Activity |
肝細胞増殖にK-ATP channelを介したCaイオンチャネルの関与が示唆された。リアノリジン受容体2、イノシトール三リン酸受容体の発現低下をmRNAレベルでは確認できたため、蛋白レベルでの確認を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
病気発症により、平成26年1月から平成26年8月までの8か月間、入院および休職・自宅療養で研究できない状態であった。よって本研究の進行に遅れが生じているが、現在研究再開している。 上記理由により、研究費の繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度までの研究期間を平成28年度まで延長していただいた。遅れている研究内容を実行すべく、使用する予定である。
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