2015 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生・肝線維化における新規血小板活性化受容体CLEC-2の役割に関する検討
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25462083
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
雨宮 秀武 山梨大学, 総合研究部, 助教 (70377547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 寛 山梨大学, 総合研究部, 講師 (40322127)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CLEC-2 / 肝再生 / 血小板 / 肝類洞壁内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:活性化血小板(PLT)は肝再生に関与する。一方、近年発見されPLTや肝類洞内皮に発現するとされるPLT活性化新規受容体c-type lectin-like receptor 2 (CLEC-2)の、肝再生における役割の詳細は不明である。今回、CLEC-2の肝切除後肝再生におる役割を検討した。方法:胎生致死である①CLEC-2欠損ノックアウトマウス、ならびに②多核球-PLT系CLEC-2欠損コンディショナルノックアウトマウスの造血幹細胞を含む胎仔肝細胞を、放射線照射後に移植したCLEC-2欠損骨髄キメラマウスモデル(①KO、② flox/flox KO)を作成した。Wild-type(WT)キメラマウスは、C57BL/6N マウス骨髄を照射後に移植した。70%肝切除(Hpx)を施行し、肝体重比、Ki67とPCNA発現を検討した。肝CyclinD1、HGF、TNF-αとIL-6 mRNA発現を検討した。さらに、STAT3、Akt、ERK1/2発現を検討した。 結果: WT群ではHpx後の肝体重比は漸増し、7日目にHpx前値にまで回復した。KO群ならびにflox/flox KO群は肝再生有意に遅延し、Ki67ならびにPCNA発現も有意に減少した。TNF-αならびにIL-6 mRNA発現はWT群において有意に増加し、flox/flox KO群では有意に低下した。p Aktならびにp ERK1/2はWT群においてHpx後に有意に発現が増加、また、flox/flox KO群においても増加を認め両群間で有意差を認めなかった。一方、STAT3発現はWT群と比較しflox/flox KO群で有意に低下した。 考察:CLEC-2は肝再生に関与していた。内皮細胞とPLTの相関による肝再生シグナルカスケード(STAT3系)が活性化していた結果より、CLEC-2の肝類洞内皮とPLTの相関による肝再生への関与を強く示唆していた。
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Research Products
(2 results)