2013 Fiscal Year Research-status Report
肝移植における抗ドナー特異抗体産生意義の解明と個別化免疫療法の探求
Project/Area Number |
25462088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱 直樹 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00645723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 浩志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00572554)
永野 浩昭 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10294050)
川本 弘一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30432470)
小林 省吾 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30452436)
秋田 裕史 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 消化器外科, 診療主任 (70528463)
江口 英利 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90542118)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝移植 / 抗ドナー特異抗体 / 拒絶反応 / 液性免疫 |
Research Abstract |
臓器移植において、肝臓は他臓器よりも免疫に寛容な臓器であり、リンパ球クロスマッチの結果や、抗ドナー特異抗体の臨床的意義について明確な見解が得られていない。本研究は、ラット肝移植モデルおよび当教室の肝移植前後の臨床検体を用いて、術前またはde novo抗ドナーHLA特異抗体産生と、それらのグラフトに与える影響を検討することを目的としている。 本年度は、まずラット肝移植においては、肝移植の手術手技の習得と、同系間および異系間肝移植モデルの作成を計画していたが、手術手技の習得が不十分であり、安定性した生存を得ることができず、来年度も引き続きラット肝移植モデルの作成を必要とする。 当教室での臨床検体を用いた検討に関しては、本年度は脳死肝移植5例を含む13例の成人肝移植が施行され、その検体を使用した。ABO血液不適合症例は13例中5例あり、術前ドナー・レシピエントのクロスマッチ陽性症例は4例(ABO不適合と重複2例あり)であった。術後肝生検時などに採取した検体での検討では、術前クロスマッチ陰性の9例においては、術後にde novo抗ドナーHLA特異抗体をした症例はなかった。クロスマッチ陽性であった4例のうち2例において術後肝障害時に抗ドナー抗体価が術前と比して著明に高値となっており、さらにその時に採取した肝生検のC4dの免疫染色で血管内皮が染色された。さらに、その後に施行した血漿交換にて抗体価は減少するとともに肝機能も改善したため、液性免疫応答の関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラット肝移植モデルの研究に関しては、現時点では過去の報告等で言われているような十分な生存が得られるモデルの作成に至っていない。安定した生存が得られるモデル作成には、グラフトとなる肝臓を摘出してから、血管吻合を行って肝臓に再灌流するまでの無肝期の時間を、過去の報告によると17分未満にする必要性があり、その手技習得には次年度にも修練する必要がある。 また、臨床検体モデルにおいても、今回抗ドナー特異抗体価が上昇し、液性拒絶反応の関係が示唆された2例は、クロスマッチだけでなく、ABO血液型不適合移植症例であったため、抗ドナー抗体産生による液性拒絶と言えるかの検討は不十分である。今後も、症例の蓄積を行い、de novoでの抗ドナー抗体産生を来たすような症例の有無もみていかなければならない。さらに肝障害時の血液および肝生検サンプルにおいて、細胞性免疫の主体とされるCD4+T細胞やCD8+T細胞分画に加えて、細胞性免疫の制御に関わるとされるCD4+CD25+Foxp3+の制御性T細胞を測定し、その増減と液性免疫の主体である抗ドナー抗体産生との関係について比較検討しなければならない。 さらには、肝障害時のみではなく、術後安定期となった時期での血液や肝生検サンプルの集積も必要であるが、全体の症例数が少なく、さらにクロスマッチ陽性症例も限られるため、引き続き次年度も症例を蓄積していかなければならない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度中には、安定したラット肝移植モデルを確立させ、さらには研究計画に基づいて、各移植モデルにおいてのクロスマッチ検査を行う。もしもその結果、どの組み合わせにおいても前感作抗体が存在せずクロスマッチ検査がすべて陰性となった場合でも、de novoでの抗体産生の検索を経時的に行っていく方針である。そして、それらのモデルにおいて、それぞれ経時的に血液やグラフトを採取し、免疫染色やT細胞の分画を検討していく予定である。次々年度には、さらに免疫抑制剤を投与したモデルなども作成し、細胞性免疫や液性免疫の関連がいかに変動していくかを比較検討する。 成人肝移植での臨床検体を用いた検討では、次年度および次々年度も引き続いて、術前および術後肝障害時、術後安定期の血液・肝生検サンプルを採取し、クロスマッチ検査・抗ドナー特異抗体価の測定とともに、細胞性免疫の主体とされるCD4+T細胞やCD8+T細胞分画に加えて、細胞性免疫の制御に関わるとされるCD4+CD25+Foxp3+の制御性T細胞を測定する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に必要な物品を購入し終わったため。 来年度に必要な物品を購入するため。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Protocol and outcome of ABO incompatible living donor liver transplantation2013
Author(s)
Hama N., Wada H., Kobayashi S., Tomimaru Y., Akita H., Kawamoto K., Eguchi H., Yabunaka E., Hagiwara K., Umeshita K., Kiyokawa T., Tomiyama Y., Doki Y., Mori M., Nagano H.
Organizer
CAST2013
Place of Presentation
京都
Year and Date
20130903-20130906
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[Presentation] Incidence and management of cytomegarovirus infection after living donor liver transplantation2013
Author(s)
Wada H., Hama N., Kobayashi S., Tomimaru Y., Akita H., Eguchi H., Hagiwara K., Yabunaka E., Umeshita K., Doki Y., Mori M., Nagano H.
Organizer
CAST2013
Place of Presentation
京都
Year and Date
20130903-20130906
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