2014 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植における抗ドナー特異抗体産生意義の解明と個別化免疫療法の探求
Project/Area Number |
25462088
|
Research Institution | National Hospital Organization Osaka National Hospital Institute for Clinical Reserch |
Principal Investigator |
濱 直樹 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (00645723)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 浩志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00572554)
永野 浩昭 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10294050)
川本 弘一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30432470)
小林 省吾 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (30452436)
秋田 裕史 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (70528463)
江口 英利 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90542118)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 肝移植 / 抗ドナー特異抗体 / 拒絶反応 / 液性免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
臓器移植において、肝臓は他臓器よりも免疫に寛容な臓器であり、リンパ球クロスマッチの結果や、抗ドナー特異抗体の臨床的意義について明確な見解が得られていない。本研究は、ラット肝移植モデルおよび当教室の肝移植前後の臨床検体を用いて、術前またはde novo抗ドナーHLA特異抗体産生と、それらのグラフトに与える影響を検討することを目的としている。 これまで、ラット肝移植にて同系間および異系間肝移植モデルの作成を試みていたが、手術手技の習得が不十分であり、安定性した生存を得ることが依然できないままであった。今回研究責任者の異動に伴い、異動先での研究継続が困難となったため、本研究を早期終了することとなった。 当教室での臨床検体を用いた検討に関しては、これまでに施行された129例の成人肝移植において、術前ドナー・レシピエントリンパ球クロスマッチ陽性症例は14例(ABO不適合と重複5例あり)であった。本研究開始以降の症例において、術後に新たにde novo抗ドナーHLA特異抗体を産生した症例はなかった。クロスマッチ陽性例は術後肝動脈狭窄が14.3%と、クロスマッチ陰性群の4.8%と比べて有意に合併症発生が多かった。通常の急性細胞性拒絶に関しては両群間に差は見られなかったが、クロスマッチ陽性例においてのみ、2例(14.3%)において液性拒絶反応を認めた。それらの症例は血漿交換にて抗ドナー抗体除去することで肝機能の改善が得られた。クロスマッチ陽性例の術後1年生存率は71.4%と対照群86.0%と比べて有意に不良であった。
|
Research Products
(14 results)