2015 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌の移植後再発を規定する宿主臓器・腫瘍微小環境の機序解明
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25462092
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
居村 暁 徳島大学, 大学病院, 特任教授 (90380021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 良美 徳島大学, 大学病院, 准教授 (00238239)
島田 光生 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (10216070)
池本 哲也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (20398019)
宇都宮 徹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 准教授 (30304801) [Withdrawn]
岩橋 衆一 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (30531751) [Withdrawn]
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 講師 (60398021)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝癌 / 肝移植 / 肝切除 / 腫瘍微小環境 / 再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌の腫瘍微小環境に関する研究として、Never-in-mitosis-A-related kinase 2(Nek2)の発現を肝細胞癌切除標本(癌部・非癌部)を用いて検討し、Nek2遺伝子発現およびタンパク発現は非癌部と比較し癌部で有意に高発現していること、Nek2高発現群は低発現群と比較し、有意に組織学的脈管侵襲が高頻度で無再発予後が有意に不良であることを報告した。 また最近、Nek2は下流のAktやNF-kBシグナルを介してABCトランスポーターを制御しており、その発現が癌細胞の薬剤耐性やstemnessに関与すると報告された。そこで、肝細胞癌においてもNek2発現を抑制することにより腫瘍悪性度の上昇を抑制しうるのではないかと考え、Epigallocatechin gallate(EGCG)に着目して肝癌細胞株(HepG2)を用いた研究を行った。・Parental cellを用いた検討では、Nek2とAkt発現について確認(western blot)したところ、EGCGはNek2とAkt発現とも濃度依存的に抑制した。・細胞周期ではEGCGはS期の細胞を増加させ、結果的にApoptosisを促進した。・HepG2を用いたCancer sphereはEGCG添加によりsphere形成を阻害した。・Sphereでは細胞と比べNek2や癌幹細胞マーカーCD133、ABCトランスポーター発現が上昇していたが、EGCGによりそれらの発現が抑制された。 以上のことから、肝細胞癌でNEK2発現が上昇すると、Aktを介した経路を介して腫瘍悪性度上昇に関与しており、EGCGはNek2やAktを介した経路を抑制することでstemnessを阻害し、悪性度解除につながる可能性があると考えられた。
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