2015 Fiscal Year Annual Research Report
自己皮下脂肪由来間葉系幹細胞を用いた肝硬変症に対する革新的治療法の開発
Project/Area Number |
25462096
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤星 朋比古 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20336019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 正治 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30304744)
富川 盛雅 九州大学, 大学病院, その他 (60325454)
橋爪 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198664)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脂肪由来間葉系幹細胞 / 肝硬変 / 門脈圧亢進症 / 非代償肝硬変 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景と目的:近年、脂肪由来間葉系幹細胞(ADSC)は臨床治療における潜在的な用途があると報告されている。しかし、その詳細なメカニズムについては不明である。肝硬変ラットモデルを用いて、basic FGF処理ADSCのラット肝硬変モデルへの治療効果を調べることを目的として実験的検討を行った。 方法:四塩化炭素による腹腔内の反復投与によって肝硬変ラットを作成した後、同系ラットのADSCを尾静脈から投与し、肝機能、組織変化、およびHGFの発現を評価した。また、生体イメージングシステム(IVIS)を用いて蛍光ラベリングされた細胞の追跡を行った。さらに共培養モデルを用いて、肝硬変におけるADSCの肝細胞、肝星細胞への影響について検討した。 結果:肝硬変モデルラットにおいて、ADSC投与は、肝障害を軽減し、肝線維化を抑制した。投与されたADSCは肺および肝臓、脾臓に集積した。肝硬変では特に肝臓においてADSC の集積を認めた。また、共培養の実験により肝星細胞の生存を抑制し、肝細胞増殖を促進することが分かった。こADSCのHGFをノックダウンした後、ADSCの効果は減弱した。 考察:ADSCはその細胞応答によるHGFの産生を介して肝星細胞の活性化の抑制と肝細胞の増殖を促進することが明らかとなった。この作用により肝硬変の改善に寄与しているものと考えられた。また、基礎的検討により、bFGFはこのADSCの増殖と分化能力の維持に有用であることが分かった。 結論:bFGF付加培地にて培養したADSCは、HGFを介して肝損傷と線維症の改善に重要な役割を果たしている。
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Research Products
(9 results)