2013 Fiscal Year Research-status Report
自然免疫応答の賦活化を基盤とした膵癌新規薬物併用療法の開発
Project/Area Number |
25462106
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
太田 哲生 金沢大学, 医学系, 教授 (40194170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 知治 金沢大学, 大学病院, 医員 (30397210)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 膵癌 / MICA / Gemcitabine / 自然免疫 |
Research Abstract |
難治性固形癌の一つである膵癌に対する集学的治療の一つとして免疫細胞療法が行われ、一定の成績は得られているものの未だ満足できる成績ではない。 申請者らは免疫逃避機構に関与するMICA(MHC classIrelated chain A)発現の低下および可溶性MICAの出現に着目し、自然免疫機能を賦活化するとともに腫瘍細胞の免疫逃避機構を抑制する新たな細胞療法を含めた膵癌に対する集学的治療法の開発を目的として研究を計画した。また近年、Gemcitabine(GEM)には殺細胞効果以外に腫瘍上のMICAを増加させることが報告されている。 初年度である当該年度は膵癌患者の切除標本を用いて術前化学療法(GEM+S-1)を行った(NAC)群とコントロール(Cont)群に分けて、腫瘍細胞のMICAの発現および腫瘍周囲のNKG2DおよびCD16陽性リンパ球(NK細胞、CD8+αβT細胞およびγδT細胞)の発現を検討した。腫瘍でのMICAの発現、腫瘍周囲のNKG2DおよびCD16陽性リンパ球浸潤はいずれもCont群に比べてNAC群では高率であった。 またヒト膵癌細胞株(PANC-1、BxPC-1、HPAFII、MIAPaCa-2、Capan-1、Capan-2、AsPC-1)を用いて、HLA-classIおよびMICA/Bの発現を検討したところ、HLA-classIの発現は全細胞株で認められ、MICA/B発現はPANC-1、BxPC-3>HPAF-II、MIApaca-2>Capan-1の順で発現が強くCapan-2、AsPC-1では発現が認められなかった。来年度はこれらの細胞株にGEM、HDAC inhibitorであるValpronic acid (VPA)を負荷し、MICA/Bの発現に対する影響を検討する予定である。また膵癌患者の血清を使用してヒトMICA ELISAキットを用いて可溶性MICAを測定する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵癌細胞株およびヒト膵癌切除標本を用いて病理組織学的・分子生物学的に検討を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
膵癌患者での末梢血単核球(特にγδT細胞)をフローサイトメーターを用いて解析する。また膵癌細胞株をGEM、VPAを負荷し、MICA/Bの発現増強効果を検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分子生物学的検討のために購入予定であった試薬の一部の購入を来年度に先送りしたため。 フローサイトメーターを含めた分子生物学的検討を行う。次年度使用額はその際の試薬購入に使用する。
|
Research Products
(3 results)