2015 Fiscal Year Annual Research Report
肝幹細胞を用いたインスリン産生細胞分化誘導による膵切除後内分泌機能不全治療戦略
Project/Area Number |
25462108
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 聡 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (90334903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本山 博章 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (20569587)
宮川 眞一 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80229806)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 再生医療 / 糖尿病 / β細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
門脈結紮後肝葉に出現する組織特異的幹細胞(portal branch ligation-stimulated hepatic cells: PBLHCs)に対して膵臓発生特異的転写因子を異所性導入しインスリン産生細胞を誘導した.このような転写因子依存性分化転換誘導系では,従来導入する遺伝子群の選定に重きが置かれており,遺伝子導入以降の培養条件により分化転換誘導性が影響を受けるか否かに関して明かな知見が無かった. 我々は上記PBLHCsに対する導入遺伝子の最適化を行い,導入遺伝子群を2種類選定した.これらを用いた遺伝子導入細胞を特異的化合物を付与した無血清培地による三次元培養を行うことにより,インスリン産生細胞の誘導性が有意に亢進することを見いだした.この現象は導入遺伝子群が異なっても再現性を有するものであった.また無血清培地の付与と三次元培養の適用は,いずれが欠けても分化転換の誘導性に影響し,両者は相互依存的に作用する因子であることが推測された. 現在,膵臓β細胞の再生におけるcell sourceとして最も有力なのはiPS細胞であるが,本研究で用いた転写因子依存性分化転換誘導は生体内に直接遺伝子を導入することで,三次元的な組織構築を維持したままインスリン産生細胞を誘導しうるメリットがある.本研究で示した特異的化合物による分化転換の促進性は,このようなin vivo分化誘導系に対しても応用可能な概念であると考えられる.
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