2015 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌の癌細胞-癌間質におけるmicroRNA相互作用の解明と薬剤耐性克服法の構築
Project/Area Number |
25462111
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江口 英利 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90542118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 浩志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00572554)
濱 直樹 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (00645723)
永野 浩昭 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10294050)
川本 弘一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教(常勤) (30432470)
小林 省吾 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (30452436)
長谷川 慎一郎 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (60621026) [Withdrawn]
秋田 裕史 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (70528463)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | microRNA / 薬剤耐性 / 膵癌 / 癌間質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、膵癌の癌部と癌間質の相互作用(クロストーク)がmicroRNA(miRNA)を媒体として行われていることを明らかにし、そのクロストークにより抗癌剤耐性が上昇しているとの仮説を証明することを目的としている。昨年度は癌間質細胞の主たる構成細胞としての線維芽細胞に着目し、human dermal fibroblast(HDF)を用いて、膵癌培養細胞を様々な条件で培養する際に放出されるexosome(内部にmiRNAやmRNAを含有)がHDFに取り込まれることによりHDFは活性化し、それが更に膵癌細胞の浸潤能や増殖率を変化させることを明らかにした。本年度は内部に含有されるRNAのうち何が伝搬されているのかを明らかにすべく研究を推進した。 本年度の研究として我々はTGF-β mRNAに着目した。膵癌細胞におけるTGF-β mRNAをノックダウンすることによりその発現を低下させると、膵癌細胞から分泌されるexosome中のTGF-β mRNAも減少し、さらにそのexosomeが癌間質に存在するfibroblastに取り込まれる際には取り込まれるTGF-β mRNAの量も減少することを明らかにした。TGF-βはfibroblastの活性化における重要分子であり、これが膵癌細胞から伝搬されfibroblastの内部でも機能していることを明らかにできたことは重要な新知見であると考えられる。 さらに本年度は、膵癌切除標本を用いて、癌間質に存在する細胞が活性化しているかどうかをα-SMAの発現の程度で判定するという方法で評価した。その結果、膵癌に対して術前に化学療法や放射線療法を行って薬剤耐性となった膵癌細胞の近傍に存在する癌間質細胞は活性化されていることを明らかにすることができた。
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Research Products
(2 results)