2013 Fiscal Year Research-status Report
胆汁耐性ヘリコバクター胆道感染の診断・治療システムの構築と胆道発癌予防法の確立
Project/Area Number |
25462112
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
田島 義証 島根大学, 医学部, 教授 (20264228)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 健 島根大学, 医学部, 教授 (70293701)
西 健 島根大学, 医学部, 研究員 (80538893)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 胆汁耐性ヘリコバクター属菌 / 胆道発癌 / ビリス菌 / ヘパティクス菌 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
胆道癌は代表的な消化器癌のひとつであり、わが国における死亡者数は増加の一途をたどっている。積極的な外科切除や放射線化学療法による集学的治療が試みられているものの治療成績は悪く、極めて予後不良の疾患である。従って、これまでにない有効な治療戦略が求められている。 近年、胆汁中でも生育可能な胆汁耐性ヘリコバクター属菌感染と胆道発癌との関連が注目されている。今回の研究では、胆汁耐性ヘリコバクター属菌であるビリス菌およびヘパティクス菌に対する特異的な新規モノクローナル抗体を作成する。同時に、胆汁耐性ヘリコバクター属菌の胆道上皮細胞に対する病原性ならびに病原性の発現機序を in vitro と in vivo の両面から解析し、胆道発癌との関連性を解明する。さらに除菌療法とその効果を検討し、胆汁耐性ヘリコバクター属菌をターゲットとした胆道癌の発癌予防法の開発を目指す。 平成25年度の研究実績: 臨床症例において胆汁耐性ヘリコバクター属菌感染の簡便な検出方法を確立するために、ホルマリン固定後のビリス菌およびヘパティクス菌をマウスに免疫し、菌体に対する血中抗体価の上昇を確認した後、ビリス菌およびヘパティクス菌に対する特異的な新規モノクローナル抗体をそれぞれ1種類および2種類を作成した。実験に用いたビリス菌に関しては、全ゲノム解析を行った。また、精製した新規モノクローナル抗体を用いて、既にPCR法によりビリス菌およびヘパティクス菌感染の有無が判明している胆嚢癌5例、胆嚢結石5の切除標本に免疫組織化学染色を行い、抗体の至適濃度の確認、感度ならびに特異度を検討している。 5週齢、雌性ハムスターを用いた胆汁耐性ヘリコバクター属菌感染モデルの作製法を確立した。 尚、本研究は、本学動物実験専門委員会に実験申請を行い、許可を受けたうえで施行している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定した研究計画にすべて着手し、予定の実験を実施し、結果をあげているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、胆汁耐性ヘリコバクター属菌の胆道上皮細胞に対する病原性ならびに病原性の発現機序をin vitroとin vivoの両面から解析し、胆道発癌との関連性を解明する。さらに除菌療法とその効果を検討し、胆汁耐性ヘリコバクター属菌をターゲットとした胆道癌の発癌予防法の開発を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度計画していたビリス菌あるいはヘパティクス菌をハムスター胆道上皮分離培養細胞に接種した後、DNA マイクロアレイ解析を行う予定であったが、実験の都合上一部の解析が次年度に繰り越されたため。 すでに実験の準備は完了しているため、次年度速やかに遂行する。
|
Research Products
(3 results)