2015 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌におけるNestinのリン酸化制御による抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
25462127
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
松田 陽子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20363187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 晃 日本医科大学, 医学部, 助教 (70449263)
進士 誠一 日本医科大学, 医学部, 助教 (80409193)
石渡 俊行 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, その他 (90203041)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膵癌 / nestin / 幹細胞 / 細胞骨格 / リン酸化 / 浸潤 / 転移 / 増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
医学の進歩にも関わらず、膵癌の予後は極めて不良ある。分子標的治療薬は従来の抗癌剤と比較し、副作用が少なく、抗腫瘍効果が高いとして期待を集めているが、膵癌に対して有効な分子標的治療薬は未だ開発されていない。 これまでに申請者らは、中間径フィラメントタンパク質のnestinについて、膵癌の治療標的としての有用性を検討し、nestin発現を抑制することで膵癌の浸潤、転移を抑制することが可能なことを明らかにした。本研究では、膵癌におけるnestinのリン酸化を抑制することでnestinの活性化、および機能を効果的に抑制することが可能になるのではないかとの仮説をたて、nestinタンパク質のリン酸化制御による分子標的治療薬開発を目指し、基礎的検討を行った。 前年度までの検討で、リン酸化nestinに対する特異的抗体 (p-Thr316, p-Thr1495) を用い、ヒト膵癌培養細胞における発現を検討したところ、リン酸化nestinはM期 (分裂期) の膵癌細胞において高発現していた。Nestinのリン酸化部位に変異を加えたベクターを膵癌細胞に遺伝子導入すると、細胞増殖、遊走、浸潤、転移が抑制された。 今年度は、マウス移植モデルを用いた転移能の検討を行った。NestinのsiRNAを投与すると膵癌の転移が抑制された。また、nestinのリン酸化部位に変異を加えたベクター遺伝子導入した膵癌細胞では、肝転移の著明な抑制が認められた。また、ヒト膵癌検体を用いて、リン酸化nestinの免疫染色を施行したところ、その発現の程度は増殖能の指標であるMIB-1 labeling indexと相関を示した。しかし、リン酸化nestinの発現の程度は、膵癌の組織型やステージとの関連は認めなかった。以上の結果より、リン酸化nestinの制御は、膵癌の新規分子標的として有用である可能性が示された。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Clinicopathological features of 15 occult and 178 clinical pancreatic ductal adenocarcinomas in 8339 autopsied elderly patients.2016
Author(s)
1.Matsuda Y, Ishiwata T, Yachida S, Suzuki A, Hamashima Y, Hamayasu H, Yoshimura H, Honma N, Aida J, Takubo K, Arai T.
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Journal Title
Pancreas
Volume: 45
Pages: 234-40
DOI
Peer Reviewed
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