2015 Fiscal Year Annual Research Report
補助人工心臓離脱率向上を目指した心筋再生医療導入に関する実験的検討
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25462131
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
水野 友裕 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00323676)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞移植 / 細胞シート / 生着率 / 心筋虚血 / 心不全 / 補助人工心臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
末期重症心不全患者に対する治療は、補助人工心臓(VAD)による機械的循環補助とその後の心臓移植が最終手段となるが、慢性的なdonor不足のため日本では3年以上の待機期間となり、待機中に合併症により命を落とす例も多い。VAD装着後に心機能回復を目的とした新たなadjunctive therapyによりVAD離脱率を向上させることで,心移植数の減少が期待できるが,細胞移植、心筋シートなどのregenerative therapyがその一翼を担うと思われ,VADシュミレーション実験モデルを使用し検討する計画であった。 細胞移植、細胞シート作成技術の安定化が得られた。その後,虚血性心不全モデルを作成し,不全心に直接注入法により移植した細胞,細胞シートで移植した細胞の生存率を計測すべく,雌ラットに雄ラットの細胞を移植し,Yクロモソームをターゲットとしたreal-time PCRでその生存率を計測した。シートは初期移植細胞数が安定的に得られる点で有意であるが,直接注入によっても,細胞シートを用いたとしても,4週間後には10%の細胞生存率で,その生存細胞数の減衰率はどちらも同じでであることが判明した。また,生存率の向上のために移植部位により相違があるかも検討した。これらを病理学的にも検証した。 VADシュミレーションモデルの安定的な作成と心機能評価が当科実験施設で可能な段階まで到達し,上記技術を持ちいて,VADと同様なunloadingされた心臓への細胞移植では生存率が向上する可能性を実験的に検討する段階となったところで研究期限となった。 現在,前記研究結果を公表すべく学会発表,論文化を進めている。
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