2013 Fiscal Year Research-status Report
大動脈周囲脂肪組織のアンジオテンシンII受容体サブタイプが大動脈瘤発症に与える影響
Project/Area Number |
25462163
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鈴木 純 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40452693)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 循環器 / 外科 / 脂質 / 高血圧 |
Research Abstract |
近年、メタボリック症候群における内臓脂肪が炎症を惹起し、動脈硬化の進展や心血管系イベントの発生に関与することが指摘されている。また、動脈硬化の進展により引き起こされる大動脈瘤は、破裂をきたすと突然死を招き得る致命的な病態である。これまで我々は動脈硬化の進展にレニン-アンジオテンシン系(RA系)が深く関与していることを報告してきた。そこで本研究では、①大動脈瘤モデルを用いて大動脈瘤発症におけるアンジオテンシンII(AngII)受容体サブタイプ(AT1a、AT2)の役割を明らかにすること、②大動脈周囲脂肪組織のAngII受容体サブタイプが大動脈瘤の形成・進展に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。 平成25年度は生後8週齢のApoE KO、ApoE/AT1a KO、ApoE/AT2 KOマウスに高脂肪(1.25%コレステロール)食を負荷し、9週齢よりosmotic minipumpで生理食塩水とAngII(1000 ng/kg/min)を28日間投与することにより大動脈瘤モデルマウスを作成し、大動脈瘤の発生率、最大血管径、動脈瘤の形態の違いを明らかにすべく、現在各ストレインでの解析を進めている。また、生後8週齢のApoE KO マウスの動脈瘤の発症頻度が高い腎動脈近位腹部大動脈を露出し、その周囲にApoE KO、ApoE/AT1a KO、ApoE/AT2 KOマウスの白色脂肪を移植したモデルでも同様の検討を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生後8週齢のApoE KO、ApoE/AT1a KO、ApoE/AT2 KOマウスに高脂肪(1.25%コレステロール)食を負荷し、9週齢よりosmotic minipumpで生理食塩水とAngII(1000 ng/kg/min)を28日間投与することにより大動脈瘤モデルマウスの作成を行っているが、当初は予想していたよりも大動脈瘤の発症率が低く、投与する高脂肪食やAngIIをOptimiseして安定した大動脈瘤モデルの作製に時間が掛かっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、ApoE KO、ApoE/AT1a KO、ApoE/AT2 KOマウス大動脈瘤モデルマウスを作成・サンプリングを順次行い、各ストレインでの大動脈瘤の発生率、最大血管径、動脈瘤の形態の差異について検討中であり、ApoE KO マウスの動脈瘤周囲にApoE KO、ApoE/AT1a KO、ApoE/AT2 KOマウスの白色脂肪を移植したモデルでの解析を進めている。 平成26年度以降は、移植後5週間高脂肪食とAngII(1000 ng/kg/min)で刺激されたApoE KO、ApoE/AT1a KO、ApoE/AT2 KOマウスの白色脂肪組織片をサンプリングし、動脈硬化関連遺伝子の発現プロファイルPCR arrayを用いて解析し、AT1a、AT2受容体遺伝子の有無により発現の差を認めた動脈硬化関連遺伝子については、Real-Time PCRでmRNA発現を再確認する予定である。また、生後9週齢のApoE KOマウスより腹腔常在マクロファージを採取し、白色脂肪組織に発現するAngII容体サブタイプ(AT1a、AT2)の違いがマクロファージ機能(貪食能、遊走能、泡沫化、サイトカインや細胞外基質分解酵素の産生能)に及ぼす影響について検討していく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究計画よりも初年度の研究達成度にやや遅延が生じたため。 次年度の物品費に当てる予定である。
|