2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25462165
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鈴木 伸一 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90285130)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 宗孝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10190365)
井元 清隆 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 教授 (40203335)
内田 敬二 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 准教授 (50275062)
横山 詩子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70404994)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | オーダーメイド医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プロスタグランディンE受容体EP4シグナルを抑制することで、大動脈瘤の進行を抑制する初めての薬物治療の開発を目的とした。 先行研究にて、ヒト大動脈瘤ではEP4発現と弾性線維分解に正の相関を認め、ヒト大動脈瘤組織を用いた検討ではEP4活性化がMMP-2やIL-6の発現を誘導すること、EP4拮抗薬がこれらの分子群の発現、活性を抑制することを示した。さらにEP4欠損マウスやApoE・EP4ダブル欠損マウスにおける大動脈瘤の解析を通じて、大動脈瘤の進行にPGE2-EP4シグナルが関与すること、EP4拮抗薬が大動脈瘤の進行抑制薬、治療薬として有効である可能性を示唆した。本研究ではさらに、大動脈瘤組織の器官培養の上清の質量分析を行い、ヒト大動脈瘤の進行に強くかかわる分泌蛋白の網羅的解析とを行った。大動脈瘤組織をプロスタグランディンE、EP4アゴニスト、またはプロスタグランディンE+EP4アンタゴニストで刺激し、EP4シグナルによって病変組織において分泌が制御されるタンパクを検索したところ、インターロイキン6やマトリクスメタロプロテアーゼをはじめとする各種プロテアーゼが検出され、ヒトの病変組織でもプロスタグランディンE-EP4シグナルが疾患増悪に強く関与している可能性が示された。またこれらのうち大動脈瘤患者の血漿中で分泌がみられ、かつステント留置により大動脈瘤の縮小があった症例では有意に減少していることが示され、疾患活動性を判定するバイオマーカーの候補となり得ると考えられた。またサンプルからの検討でバイオマーカーとなる指標が確認され現在特許申請中である。
|