2013 Fiscal Year Research-status Report
肺癌における抗アポトーシス蛋白Survivinと抗腫瘍薬への応用
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25462169
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 千顕 東北大学, 大学病院, 講師 (80333813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜田 晃 東北大学, 大学病院, 助教 (60360872)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Survivin / Splice variants / Lung cancer |
Research Abstract |
Survivinの免疫組織化学的検討に用いた100例の非小細胞肺癌切除例の腫瘍凍結標本より凍結切片を作成し、HE染色にて腫瘍部の80%以上が癌細胞で占められている82例を選択し、RNAの抽出を行い、260nm/280nm吸光度比1.8以上の73例を解析に用いた。これら73例に関しては、臨床上の予後情報として、肺切除後の全生存期間を収集した。またコントロールとして肺正常組織の凍結標本20例からも同様にRNAを抽出した。Survivinのsplice variantsである、Wt, Ex3, 2B, 3B, 2alphaのmRNA量を比較Ct法にて算出した。Survivin variantsの発現量はは、平均値でWt:110, Ex3:9.2, 2B:16, 3B:23,7, 2alpha:7.2であった。正常組織では、Wt:2.2, Ex3:0.5, 2B:3.2, 3B:1.2, 2alpha:77であった。Survivin総発現量に対する発現割合が最大のものは、73例中59例がWt, 8例が3B、2Bと2alphaがそれぞれ3例であった。正常組織では、20例中19例が2alphaであった。Wt, Ex3, 2B, 3Bでは正常肺組織の10倍の発現量を、2alphaでは1/10をカットオフ値として、これ以上を高発現群、以下を低発現群として、年齢、性別、組織型、リンパ節転移を共変量として加え、Cox 比例ハザードモデルによる多変量解析を実施した。その結果、3B高発現群が独立した予後不良因子として、また2B高発現群が独立した予後良好因子として同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、肺癌組織に対してSurivinの全splice variantsのmRNA量を測定し、これら発現量と肺癌予後との関係を多変量解析によって検討した。肺癌組織はあらかじめ選定済みであり、RNA抽出や、mRNA量の測定は、市販キットとマニュアルに従って行ったためほぼ予定通り研究遂行しえた。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、survivin variantsに対してmRNAをノックダウンする事によって肺癌細胞株にどのような影響が及ぶかを、細胞増殖能等の観点から, in vivo ならびに in vitro において検討する。また、Survivnの機能解析の観点から、細胞周期関連タンパクとの関連を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
端数として2973円残高となったためで、研究計画は予定通り進行している。 端数の2973円残高を翌年度に繰り越すが、翌年度使用計画に変更はない。
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