2013 Fiscal Year Research-status Report
喀痰中のマイクロRNAを用いた肺癌の早期発見に関する研究
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25462170
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桜田 晃 東北大学, 大学病院, 助教 (60360872)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺癌 / 喀痰 / マイクロRNA |
Research Abstract |
肺癌細胞株からの核酸の抽出:肺癌細胞株を細胞バンクより収集し合計10種類の細胞について培養を行った。これらからDNAおよびRNAを抽出して保存した。さらに細胞株の数を追加して、合わせて解析を行う予定である。 喀痰からの核酸の抽出:喀痰中の細胞の回収に関する検討:喀痰細胞診で使用しているブレンダーによる処理を行った後に1500回転で3-5分の遠心を行った。これにより得られる沈査の中に喀痰中の細胞が効率よく得られることを確認した。沈査の中には扁平上皮細胞が得られるが、好中球やリンパ球などの炎症細胞も多数混在した。この検体からさらに上皮系細胞を特異的に回収することが課題であると認識された。 P190RhoGAPのクローニング:我々はこれまでの研究で肺癌の発生進展にRasおよびEGFRのシグナル伝達上の下流に位置するP190RhoGAPタンパクが重要な役割を果たしていることを解明してきた。近年、miR-20aなどのマイクロRNAによるP190RhoGAPの調節が報告されており、今回の研究テーマである喀痰中のマイクロRNAにおいても重要な検討課題になる可能性があると考えた。そこで、マイクロRNAによるP190RhoGAPの機能調節について解析する準備として、P190RhoGAPタンパクをコードするcDNAを肺癌細胞株より作成したcDNAを鋳型にしてPCRで増幅し、発現ベクターへのクローニングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
喀痰細胞診陽性の肺癌患者を対象に喀痰の収集を行って、目的とするマイクロRNAの解析に供する予定としているが、昨年度は該当する患者の入院が無かったため収集できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
喀痰中の細胞の回収について:好中球やリンパ球などを排除して上皮系細胞を選択的に採取するための条件検討を行う。ビーズ付きサイトケラチン抗体を検討して効率化を図る。 十分な上皮系細胞の回収が確認できたら、喀痰からのマイクロRNAの抽出に移行する。また、喀痰細胞診用の保存液に保存した細胞からRNAの抽出を試みて、過去の検体の活用が可能かどうか検討を加える。 喀痰細胞診陽性症例からの喀痰の収集:該当患者が来院したときに、十分に説明を行って研究への協力を依頼する。 肺癌培養細胞株を用いたマイクロRNAの解析:収集した細胞株を用いて肺癌細胞株からマイクロRNAを抽出し、その発現を解析する。 P190RhoGAPのマイクロRNAによる調節の解析:rasやEGFRのシグナル伝達に関連することが指摘されているmiR-20aなどを中心に、P190RhoGAPとの機能的な関連について細胞株を用いて検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ計画通りに執行したが、わずかな残額が生じた。無駄に物品を注文するよりも、次年度に有効に使用するのが適当と考えた。 次年度の実験消耗品に当てる予定である。
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Research Products
(2 results)