2015 Fiscal Year Annual Research Report
喀痰中のマイクロRNAを用いた肺癌の早期発見に関する研究
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25462170
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桜田 晃 東北大学, 大学病院, 助教 (60360872)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺癌 / 喀痰 / マイクロRNA / GRLF1 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度研究の進歩が認められたGRLF1遺伝子の機能解析についてさらに研究を進めた。遺伝子導入による過剰発現と、遺伝子のノックダウンによる発現抑制の双方について、in vivoで効果を確認する実験を行った。過剰発現については、薬剤耐性遺伝子をもつプラスミドベクターとGFP遺伝子を発現するベクターのそれぞれにGRLF1遺伝子を組み、前者を用いてstable transformantを樹立した。これを用いて細胞増殖能と遊走能をコントロールと比較したが、明らかな差を認めなかった。そこで、過剰発現細胞を用いた動物での実験は行わないこととした。 一方、レンチウィルスベクターを用いて安定的ノックダウンを行った細胞を用いて、薬剤を用いた選択により、A549を含む複数の細胞においてシングルコロニーを複数樹立した。これらを用いて増殖能と遊走能の解析を行ったところ、ノックダウンを行わない細胞と比較して増殖能の差を認めなかった。以前、プラスミドベクターを用いた一時的なノックダウンではあきらかな増殖能の抑制が認められていたが、安定的にGRLF1をノックダウンするとその効果が消失することが明らかとなったため、その分子機構を明らかにするために、細胞の生存増殖に関わる主な分子の発現状況をスクリーニングした。その結果STAT3が総蛋白、リン酸化蛋白ともに増加していることが明らかになったため、これが、GRLF1をノックダウンした場合の代替機構として癌細胞の生存に寄与しているものと考えた。 喀痰のサンプルについては、上記の実験に注力したため行うことができなかった。保存して、将来の解析に供することにした。
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