2016 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of damaged lung by type II alveolar epithelial cells with multipotency - for the purpose of clinical application of lung transplantation -
Project/Area Number |
25462172
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
吉田 成利 千葉県がんセンター(研究所), 呼吸器外科, 部長 (90334200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂入 祐一 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30551949) [Withdrawn]
岩田 剛和 千葉県がんセンター(研究所), 呼吸器外科, 主任医長 (30586681)
吉野 一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40281547)
鈴木 秀海 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60422226)
鎌田 稔子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (60586692) [Withdrawn]
田川 哲三 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90419557) [Withdrawn]
中島 崇裕 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20400913)
山本 高義 千葉県がんセンター(研究所), 呼吸器外科, 医長 (20648349)
尹 貴正 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (80710491)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺移植 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究は2型肺胞上皮細胞(alveolar type II: AT-II)の分化能とマウス肺移植モデルにおける慢性閉塞性細気管支炎(BO)モデルの実験を実施した。 ラットAT-IIの実験は、培養実験と移入実験を実施した。培養実験ではAT-IIの純度は高まるものの細胞数は減少した。また培養した細胞(AT-II)には1型肺胞上皮細胞(AT-I)の細胞マーカーが発現しており、AT-Iへの分化能を有することが示唆された。この培養細胞をラットに移入し、肺胞上皮への生着と思われる組織所見を得た。しかしながら、傷害肺モデル(虚血再灌流モデル)への移入実験では十分な結果が得られなかった。そのため、ラット肺移植モデルでのAT-II移入実験は未実施に終わった。 一方、AT-IIによる細胞治療の治療ソースとして、マウス人工多能性幹細胞(iPS細胞)からAT-IIへの分化誘導を試みた。培養液により胚性内胚葉を経てAT-IIへ分化させSP-Cの発現とNanog-GFPの消失を確認し、次代の再生実験・再生技術を用いたAT-II移入肺移植実験に繋げる見通しができた。 さらには、マウス同種同系肺移植(C57BL/10[H2b])モデルの確立から、同種異系肺移植(C57BL/10[H2b]→C57BL/6[H2b])によるBOモデルの確立を得た。BOモデルにおいて遺伝子を網羅的に解析したところ、上皮細胞繊毛運動系に関与する遺伝子群の低下が認められた。さらなる解析で、AT-II移入が移植時における傷害肺だけでなく、慢性期へのBO抑制効果の可能性もありうると考えられた。マウス肺移植モデルにおいては、同種マウスあるいはiPS由来AT-IIの細胞移入実験はできなかった。
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