Outline of Annual Research Achievements |
本研究は肺気腫を合併した肺癌における癌関連線維芽細胞(以下CAF)の特性と癌進展誘導のメカニズムを解明し、CAFを標的とする新たな肺癌治療戦略を開発することを目的としている。エラスターゼを経気管的に投与し、肺気腫マウスを作製し、肺気腫マウスとLewis肺癌細胞を用いて転移性肺癌モデルを完成させた。癌組織内におけるCAFを表面マーカーであるFAP, FSP-1, alpha-SMA, Vimentinを使用し、同定した。動物転移性肺癌モデルの摘出肺から初代培養を行い、第2または第3継代細胞をFAPやalpha-SMA抗体を使用し、Flow cytometryでCAFを単離した。動物転移性肺癌モデルの摘出肺から単離されたCAFを培養し、細胞生存、細胞増殖能、アポトーシスを評価した。CAFから分泌されると報告されているVEGF, HGF, FGF, IGF, PDGF, CXCL-1, 5, 12, 14, MCP-1, IL-1, 6, 8, TNF-alpha, MMP-1, 2, 3, 9, 11, 13, 14, 19, TIMP-1, 2, 3を評価するために培養液中のそれらの項目をELISA, Gelatin-zymography, Western Blottingを使用し、測定した。普通肺にできた肺癌のCAFに比べて、肺気腫を合併した肺癌のCAFからの分泌が有意に多い因子を特定した。タンパク質マイクロアレイ、DNAマイクロアレイを用いてCAFの合成タンパク質、DNAを網羅的に検索するまでは至らなかった。
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