2013 Fiscal Year Research-status Report
常染色体優性遺伝形式で発症する家族性肺癌家系における原因遺伝子の同定
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25462180
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮崎 拓郎 長崎大学, 大学病院, 助教 (00584749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 智史 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (30437884)
久保 亨 長崎大学, 熱帯医学研究所, 客員研究員 (50444873)
永安 武 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80284686)
松本 桂太郎 長崎大学, 大学病院, 助教 (80404268)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 家族性肺癌 / exome解析 |
Research Abstract |
我々は3世代に渡って16名に肺癌の発生を認め、常染色体優性遺伝形式が強く疑われる大家系を見出した。家系員のうち、肺癌罹患者3名、非罹患者2名について血液DNAを収集し、LifeTechnology社のSOLiD5500を用いて、exome sequencingを行った。罹患者、非罹患者の比較検討、およびデータベース内の多形頻度情報との比較検討により、患者特異的に見出される遺伝子変異70遺伝子、72箇所を抽出することができた。これらは全てcapillary sequencingにて真の変異であることを確認した。これらは胚細胞変異であり、家族性肺癌の原因遺伝子としては同様に確からしいと考えられた。 次に、これらの遺伝子が散発性肺癌での発症に関与しているかどうかを検討した。散発性肺癌資料は、長崎大学腫瘍外科において原発性肺癌に対し手術を施行した患者192名の肺癌組織新鮮凍結資料を用いた。上記で認めた70遺伝子のexonに対しprimerを設計し、Illumina社、Hiseq2500を用いてtarget enrichment sequencingを行った。また、対照群として、原研遺伝教室にて管理してある健常者DNA192例を用いた。現在全てのsequenceが終了し、データ処理を行っているところである。この結果により、散発性肺癌192例において、上記70遺伝子の内に有意に変異を認める遺伝子があれば、それは肺癌のドライバー遺伝子である可能性があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
散発性肺癌192症例の資料収集、次世代シーケンスのためのDNApreparationに時間がかかったため、また、target enrichment sequencingは計384症例に対して行い、これらのデータ処理にも時間がかかったため、当初の予定より遅れて進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られた散発性肺癌患者の腫瘍部における変異を、散発性肺癌患者の正常部DNAと比較し体細胞変異なのか、胚細胞変異なのかを確認する必要がある。
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Research Products
(1 results)