2013 Fiscal Year Research-status Report
肺扁平上皮癌に対する新規標的療法の開発を目的としたSox2遺伝子の機能解析
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25462188
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20379845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40379730)
高岡 宗徳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50548568)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Sox2遺伝子 |
Research Abstract |
次世代シーケンス法による遺伝子解析結果などから、肺扁平上皮癌に対するdriver oncogeneが解明され、分子標的治療の有効性が明らかになってきている。我々は新たな標的療法確立のため、肺扁平上皮癌において活性化される転写因子Sox2 に注目した。Dana-Farber Cancer InstituteのDr. Meyerson 教授らは、肺扁平上皮癌と食道癌の組織で、Sox2遺伝子が過剰に活性化していることを報告し、当該転写因子が系統維持型癌遺伝子であることを解明した (Bass AJ, Meyerson M et al. Nat Genet. 41:1238-42. 2009)。当院における、肺癌切除標本を使用した免疫組織染色の結果からSox2は肺腺癌と比較し、扁平上皮癌において有意な発現が認められた。Sox2に対する複数のsiRNAを用いたsilencingの結果、Sox2発現型肺扁平上皮癌株である、LK2、EBC2 、SQ5においてcontrol siRNA投与後に比して、明らかな細胞増殖抑制効果が観察された。一方で、この効果はSox2を発現しない扁平上皮癌株H226、や正常皮膚線維芽細胞株HFFにおいて認められなかった。この結果は肺扁平上皮癌に対するSox2を標的とする治療法の有効性を示唆している。 我々は、さらにSox2下流シグナルの解析とSox2発現抑制による肺癌への抗腫瘍効果の解析を行うため、Sox2ならびにshSox2発現型adenoviral vectorの作製を行った。当該アデノウイルスベクター感染後、control vector と比し、それぞれ、exogenous Sox2発現の増加、endogenousSox2発現の減少がin vivoで、現在確認できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床標本を用いた免疫染色によるSox2発現の解析数が、予定数に達していない。検討を継続して行っており、解析終了までに暫くの期間を要する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は平成25年度研究計画を終了後、Sox2 silencingによる抗腫瘍効果の解析のため、Sox2 遺伝子導入後の下流シグナルの解析を行う。またSox2 silencing下での抗癌剤感受性に与える効果を検証する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
臨床標本におけるSox2発現解析の遅れから、次年度使用予定助成金が生じている。 現在取り組んでいる、Sox2下流シグナル解析、Sox2 silencing下での抗癌剤感受性解析に必要な細胞・分子生物試薬の購入にあてる。
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